研究課題/領域番号 |
20H04454
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 光宏 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (60370467)
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研究分担者 |
中尾 政夫 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (20791792)
伊藤 正俊 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (30400435)
倉島 俊 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 課長 (50370391)
松田 洋平 甲南大学, 理工学部, 准教授 (50569043)
涌井 崇志 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 室長 (70359644)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 高温超伝導コイル / エネルギー効率 / 加速器 / サイクロトロン / 高温超伝導加速空洞 / 負イオン源 / 永久磁石 / 荷電変換フォイル / イオン源 / 空間電荷効果 / 超伝導加速空洞 / 高温超電導コイル |
研究開始時の研究の概要 |
5年相対生存率が10%程度に留まっている転移がんや浸潤がんなどの進行がん患者を救うためには、がん組織への集積度が高い物質にアルファ線を放出する放射性同位体(RI)を合成して投与し、崩壊によって放出される7MeV前後のアルファ粒子(ヘリウム原子核)によってがん細胞だけをピンポイントで死滅させるアルファ線核医学治療法が極めて有効である。そこで、1日当たり100名以上の患者を治療できる100GBq(ギガベクレル)以上の短寿命アルファ線放出RIを大量製造し、30%以上のエネルギー効率(運転パワーに対する出力ビームパワーの比率)で低運転コストのmA級高強度小型サイクロトロンの要素技術開発を実施する。
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研究成果の概要 |
省エネルギー・低運転コストの高強度小型サイクロトロンの要素技術開発として、円形、レーストラック型高温超伝導REBCOコイルを製作し、極低温下での通電試験で優れた健全性と再現性を実証した。加速電圧30kVで3.8mAの重水素負イオンを生成し、25MeV、50μAの加速・取り出しに成功した。入射ビームの4次元位相空間内の粒子密度分布短時間測定法と負イオン剥離電子除去用コイルを開発した。セクター電磁石の磁極端部に永久磁石を配置して高温超伝導加速空洞への漏洩磁束を最小化し、厚さ1μm以上のMgB2表皮層を18Kまで冷却することによりサイクロトロン用超伝導加速空洞が実現しうることを初めて見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温超伝導REBCOコイルの実用性が実証されたことは、コイルのスケールアップによる高温超伝導加速器開発の実現性を高めるものとして学術的な意義は大きい。mA級の重陽子負イオン源開発、空間電荷効果を考慮した入射ビームの輸送効率向上、サイクロトロンにおける負イオン取出し用荷電変換フォイルの耐久性向上は高強度化の要素技術として極めて価値は高い。永久磁石と高温超伝導加速空洞を組み合わせることにより30%以上のエネルギー効率が達成しうることを示せたことは学術的なインパクトが大きいだけでなく、省電力・低運転コストが求められる産業用加速器の発展にも寄与することになり、社会的な意義も極めて大きい。
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