研究課題/領域番号 |
20H04470
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
杉原 太郎 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (50401948)
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研究分担者 |
大島 千佳 佐賀大学, 理工学部, 客員研究員 (10395147)
中山 功一 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (50418498)
桑原 教彰 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (60395168)
中川 威 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 主任研究員 (60636942)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | assistive technology / インクルーシブワークショップ / 評価指標開発 / フィールドスタディ / 介護支援 / 関係性良化 / 混交研究法 / 混合研究法 / assistive techologies / 課題発見型研究 / 支援技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高齢者と介護職員の関係性の良化を示すことで,支援技術を用いた新たな介護の実現におけるデザイン学の可能性を追究することを目的とし,以下の課題に取り組む. 1)セラピーロボットに対して評価指標を開発,2)新たな支援技術を介護施設に導入し,課題発見を行った後に導入促進機能を実装,3)開発した指標により改善度合いを測定,4)高齢者と介護職員を交えたワークショップを開催してデザイン要件として整理.
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研究実績の概要 |
認知症者を含め高齢者におけるウェルビーイングの概念と測定法に関する知見は統合されてこなかった.そこで杉原は,回想法支援システムの利用者に対するインタビューを実施・分析し,技術受容モデルと統合した質問項目を作成した.中川は,メタ分析を開始した.研究計画を事前登録した上で,データベースで文献収集を行った.重複する文献を削除した結果,英語論文および日本語論文を含めて計13,866論文を抽出した.
中山は,前年度に引き続き,室内で常時撮影する定点カメラの画像の差分から,紛失した物を探索するシステムを開発した.居室で1か月間システムを稼働させた.撮影された画像をユーザ自身が管理できるサーバに蓄積される場合には,心理的な負担が大きく減ることがわかった.大島は,目の前にいる人物の顔を自動撮影し,再会時に顔を認証して,前回にその人物と会ったときのユーザのスケジュールを提示するシステムを開発した.実験により,対象人物との距離が1.5m以内で,画面の幅に対する顔の幅の割合は13%以上になることがわかった.桑原は,脳波によって高齢者のポジティブ,ネガティブな感情をBi-LSTMモデルを用いて推定する技術を研究した.このモデルは過去と将来の感情を考慮した推定を行うことから,高齢者の感情推定に極めて効果的であることを確認した.また高齢者は一般的にどのような写真でも積極的に会話を楽しむが,若者は自分が写真の内容を知っているかどうかで大きく関心が異なり,それが会話にネガティブな影響を与えることを明らかにした.
塩瀬は,介護,看護等支援場面における新たな支援技術導入時に必要となるワークショップのデザインについて要件整理を行った.また,コロナ渦において遠隔でしか関与できない場合にオンラインワークショップを実施する場合を想定し,参加者とのラポール構築や主体的参与を促すファシリテーションについて検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度はコロナ禍で行動が制限されていたため,申請時の計画がほとんど実行できなかった.しかし,今年度は,前年度の実態を踏まえて各グループが課題を設定し直し,具体的なアクションに結びつけることができた.
評価指標を開発している,杉原・中川の各グループでは,インタビュー調査やメタアナリシスを実施,ないしは準備することができ,翌年度に調査を開始できる見込みがたった.技術開発を行う,中山・大島グループならびに桑原グループも順調に技術開発が進んでいる.昨年度の遅れがあるため,ワークショップ開発を担当する塩瀬の進捗がはかばかしくないが,他のテーマを題材としたオンラインワークショップ自体は実施できている.したがって,翌年度に開発された技術をもとにした評価を実施できれば,取り戻せる程度の遅れであると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
前年度に変更し直した研究計画から,大きな変更は不要と判断している.杉原・中川グループの成果をもとに構成した評価用の質問紙を用いて,現場で調査を行う.実際に調査を行う前には,各グループの研究室の所属学生に対してパイロットテストを実施し,修正点を確認する.なお,この研究実施にあたっては,代表者である杉原が所属する東京工業大学において倫理審査を受ける.必要に応じて,分担者の所属組織においても倫理審査を受ける.
中山・大島グループならびに桑原グループは,引き続き技術開発を進める.また,評価用の質問紙が完成した後,それぞれのグループの調査対象施設において技術評価のための実地調査を行う.
並行して,それぞれのグループの調査対象施設において,ワークショップを実施する.コロナ禍において,岡山,佐賀,京都で勤務する介護職員が一堂に会するのは現実的ではない.そこで,Zoom等のオンライン会議システムを利用して実施するワークショップをデザインする.その過程で得られた知見をもとに,技術開発・導入・評価時に課題となる事案をまとめる.なお,本研究課題も,実施前に倫理審査を受ける.
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