研究課題/領域番号 |
20H04526
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
赤木 友紀 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40782751)
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研究分担者 |
安楽 泰孝 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60581585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 薬剤コーティングバルーン(DCB、DEB) / 血管内狭窄症 / 局所的薬剤送達システム / 光応答性 / バイオマテリアル / 薬剤溶出バルーン / 光機能性/光応答性 / 薬剤コーティングバルーン(DEB/DCB) / 冠動脈疾患 / 薬剤溶出バルーン(DCB) / 局所的ドラッグデリバリーシステム / 医療用バルーン / 薬剤溶出バルーン(DCB) |
研究開始時の研究の概要 |
冠動脈疾患治療法として、再発抑制を目的とする薬剤を搭載した薬剤溶出バルーン(DEB)が広く用いられている。一方で、現状のDEBでは、薬剤の種類の制限やOn/Off制御ができないといった欠点がある。我々の提案する光と化学反応を組み合わせた新しいシステムの実現は、上記の問題点を克服するのみならず、血流中では不安定で使用が困難とされる薬剤をも搭載できるようになり、対象疾患が大幅に広がることが期待できる。
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研究実績の概要 |
当該年度は、本提案システムである光応答性薬剤担持型バルーンにおいて、段階的に薬剤を投与することが可能であるのか、を示す実験に注力した。昨年度、500 nmで光開裂するリンカー(PC@500)の作成に着手し、基本骨格にBODIPYを有し、バルーンおよび蛍光色素と結合可能な官能基を有する化合物を作成した。当該年度は、PC@500に対して、合成方法の見直しとキャラクタライゼーションを行うとともに、段階的な投与の可能性を検討した。合成方法の見直しについては、導入する開裂部の数(1 or 2)の調整、および収率の向上を踏まえて実施した。また、光照射時間に対する分解速度を、HPLCを用いて評価した。その結果、バルーンに適用するためには十分な開裂速度を有していることが示唆された。さらに、段階的な投与の可能性を調べるために、医療バルーンと同素材の粒子に対して、合成したPC@500と、PC@360をそれぞれ導入し、1波長を照射した際に適した蛍光色素がリリースされるのかについて評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、500 nmで開裂する光応答性リンカー(PC@500)のキャラクタライゼーション、および、PC@500とPC@360を導入した粒子による段階的投与の可能性を探った。キャラクタイゼーションとしては、主に光照射時間に対する開裂速度を評価した。バルーンの血管内での拡張時間を考えると、数十mWで1 min程度で開裂する必要があるが、十分に実現可能であることが確認された。また、段階投与については、PC@500とPC@360、蛍光色素をそれぞれ粒子表面に導入し、各波長に対する応答性を評価した。要件を兼ね備えたリンカーではないため、今後更なる検討が必要であるが、一定の制限を設けることで各波長を照射した際の、該当する薬剤をリリースすることが可能であることが確認された。 以上の理由から、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまで検討を進めてきたコーティング技術を医療用バルーンに適用し、機能性を評価する。得られた結果を元に、PC@500とPC@360の導入量、導入比率に加えて、光の照射強度についての最適化を進めていく。一定の成果が得られた段階で、in vivo実験を行い、その有効性について評価する予定である。
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