研究課題/領域番号 |
20H04528
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
味岡 逸樹 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 准教授 (10348790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 超分子ペプチドゲル / サイトカイン / 脳梗塞 / 超分子ペプチド / バイオマテリアル / 損傷脳再生 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
急速な少子高齢化の進む先進諸国において、脳梗塞の治療法開発は喫緊の課題となっている。申請者らは最近、脳の潜在的再生能力を発揮させるためのバイオマテリアルを開発し、脳梗塞7日後での脳内単回投与でマウス脳梗塞モデルの運動機能回復を担うバイオマテリアル開発に成功した。しかしながら、発症1日後から7日後までに介入できる技術開発も重要視されている。そこで本研究では、損傷組織の修復を担う免疫系細胞が分泌し、逆遺伝学の介入実験で重要性が証明されているサイトカインに着目し、サイトカイン徐放性バイオマテリアルを創製し、損傷脳再生効果を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、炎症抑制性サイトカインIL-10に着目し、脳梗塞発症3日後にIL-10を損傷脳内に持続供給することで、マウス脳梗塞で生じる歩行機能障害の回復効果を検証した。はじめに、従来知られている超分子ペプチドゲルよりも徐放効果の高いJigsaw-shaped self-assembling peptide(JigSAP)を開発し、IL-10を徐放させる技術を確立した。脳梗塞モデルマウス実験では、炎症抑制効果があることを見出したが、予想に反して、脳梗塞後の歩行機能障害を悪化させるという結果を得た。本研究成果は脳梗塞後の炎症持続が組織修復を促進する可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
JigSAPは低免疫原性の短いアミノ酸からなる両親媒性ペプチドであり、タンパク質を約1週間かけて放出することのできる新規超分子ペプチドゲルであり、まずは亜急性期脳梗塞の「細胞フリー再生治療医薬品」への展開を目指す。また、炎症抑制が脳梗塞後の回復を悪化させるという本研究のデータは、炎症制御による脳梗塞治療の難しさを示した一方で、標的細胞を同定する等の今後の研究の発展によって、新たな医薬品開発につながる可能性も考えられる。
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