研究課題/領域番号 |
20H04540
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
有馬 英俊 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (50260964)
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研究分担者 |
川上 茂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (20322307)
北岸 宏亮 同志社大学, 理工学部, 教授 (60448090)
山吉 麻子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (70380532)
斉藤 貴志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90360552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | ゲノム編集 / 脳アミロイドーシス / 血液脳関門 / 多段階作用 / siRNA複合体 / アルツハイマー病 / シクロデキストリン / デンドリマー / 結合体 / siRNA / アミロイドβペプチド / コレステロール / ドラッグデリバリーシステム / 脳移行 / マルチステップ作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではアルツハイマー病(AD)の原因遺伝子の一つであるAPOε4遺伝子発現、コレステロール蓄積、脳炎症反応、アミロイド線維形成・蓄積、神経原繊維変化といった5つの危険因子を多段階かつ同時に抑制できる化合物にBBB透過ペプチドを修飾した化合物(BPP-CDE)を新たに構築し、それらの化学的・物理的性質、モデル細胞を用いたBBB透過性、培養細胞系における有効性・安全性研究に加えて、健常マウスおよびADマウスに静脈内投与後のアミロイドーシス抑制効果、体内動態、脳内分布及び安全性等を検討し、ADに対する「夢の治療薬」の開発のためのシーズ薬としての可能性を3年間で明らかにする。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病に対する薬剤の臨床試験は数多くなされているが、その成功例はほとんどなく、有効な治療薬の開発が強く望まれている。我々はアルツハイマー病に対する複数の危険因子に対して個々に作用する薬剤ではなく、5つの危険因子(脳におけるAPOε4遺伝子発現、コレステロール蓄積、脳炎症反応、アミロイド線維形成・蓄積、神経原繊維変化)に対して多段階かつ同時に抑制する薬剤の開発を期待して、我々が開発した新規化合物であるシクロデキストリン/ポリアミドアミンデンドリマー結合体(CDE)に、さらに静脈内投与後の有効性を可能にする血液脳関門(BBB)透過リガンドを結合したBPB-CDEの構築に関する研究を行っている。また、Apoε4遺伝子発現を特異的に抑制できるsiRNA(Apo-siRNA)とBPB-CDEとの複合体を調製し、それらの化学的・物理的性質、細胞膜透過性、Aβ凝集・繊維形成抑制・溶解効果などの検討を予定し、2021年度は次のような検討を行った。β-シクロデキストリンとPAMAMデンドリマーとの結合体(CDE)にBBB透過リガンドを結合体したBPP-CDEの合成・精製・構造解析を行った。Aβペプチド(1-40)及びAβペプチド(1-42)の凝集体形成に及ぼすPAMAMデンドリマー及びBPP-CDEの影響について検討を行った。また、Aβペプチド(1-40)とPAMAMデンドリマー及びBPP-CDE との相互作用をNMRを用いて検討した。PAMAMデンドリマー及びBPP-CDEとsiRNA複合体を調製し、その粒子径・PDI・ゼータ電位等の物性について測定する準備を行った。論文公表1件、学会発表2件を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度はアルツハイマー病(AD)に対する5つの危険因子(脳におけるAPOε4遺伝子発現、コレステロール蓄積、脳炎症反応、アミロイド線維形成・蓄積、神経原繊維変化)に対して抑制作用が期待されるシクロデキストリン/デンドリマー結合体(CDE)に血液脳関門(BBB)を突破可能なリガンドを結合した BPP-CDEを合成し、その構造について検討を行った。また、β-シクロデキストリンとPAMAMデンドリマーとの結合体(CDE)にBBB透過リガンドを結合体したBPP-CDEの合成・精製・構造解析を行った。また、BPP-CDEとsiRNA複合体を調製し、その粒子径・PDI・ゼータ電位等の物性について測定する準備を行った。さらに、Aβペプチド(1-40)の凝集体形成に及ぼすPAMAMデンドリマー及びBPP-CDEの影響について検討を行った。さらに、Aβペプチド(1-40)とデンドリマー及びCDEとの相互作用をNMRにより検討した。しかし、検討を予定していたin vitro BBBモデルを用いたBPP-CDE及びBPP-CDE/siRNA複合体の細胞透過性、細胞膜からのコレステロール漏出・脂質ラフト抑制効果、抗脳炎症効果ならびに神経原繊維変性抑制効果については、コロナ禍による人的不足等により未検討であった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2020年度及び2021年度に十分に検討ができなかったBPP-CDEとAPOε4遺伝子に対するsiRNA(Apo-siRNA)複合体の粒子径・PDI・ゼータ電位等の物性、Aβペプチド(1-40)の凝集体形成に及ぼすPAMAMデンドリマー及びBPP-CDEの影響、in vitro BBBモデルを用いたBPP-CDE及びBPB-CDE/siRNA複合体の細胞透過性、細胞膜からのコレステロール漏出・脂質ラフト抑制効果、抗脳炎症効果ならびに神経原繊維変性抑制効果について検討を行う予定である。これらに加えて、当初から予定していた健常マウスに各種BPP-CDE/Apo-siRNA複合体を静脈内投与後の体内動態、脳移行性、安全性に関する検討を行う予定である。
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