研究課題/領域番号 |
20J00039
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
|
研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
武藤 将道 福島大学, 共生システム理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 中腸上皮 / 卵黄細胞 / 腸端細胞塊 / 透過型電子顕微鏡 / シミ / トンボ / カワゲラ / イシノミ / 昆虫類 / 系統進化 / 比較発生学 / 内羊膜 |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫類の中腸上皮における向上進化的変遷は、無翅昆虫類から有翅昆虫類に至る昆虫類の系統進化を考察する上で重要な比較発生学的論考である。しかし、この進化的解釈については、中腸上皮の由来・形成場の違いという観点から、慎重な再検証が求められる。本研究では、無翅昆虫類および有翅昆虫類の代表群を材料として、中腸上皮の由来・形成場の違いに注目した中腸上皮形成過程の高解像度な比較形態学的検討を行い、昆虫類の中腸上皮における系統進化学的議論に明確な論拠を与え、新たな系統進化シナリオの再構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
本年度は、前年度までの検討で明らかとなった、シミ目マダラシミの中腸上皮形成において、腸端細胞塊が中腸上皮形成に関与せず、全中腸上皮が卵黄細胞のみに由来する、ということに関する論文作成に主に取り組んできた。本研究成果は節足動物の発生学・形態学に関する国際誌にて公表されたほか、プレスリリースも行った。 折衷型中腸上皮形成を行うトンボ目について、ナツアカネを材料として、中腸上皮形成過程の光学顕微鏡観察による組織学的検討および透過型電子顕微鏡(TEM)観察による微細構造学的検討を実施した。その結果、腸端細胞塊は前腸細胞とは染色性の差異により光顕レベルで識別可能であることが明らかとなったほか、腸端細胞塊の頂端部がクチクラで被覆されている可能性を示すTEM像を得た。後者に関しては、腸端細胞塊が最終的に中腸上皮に分化するまでの間に、何らかの方法でクチクラの被覆が消失することを示唆するものであり、昆虫類の中腸上皮形成の変遷を考察するうえで、きわめて重要であると考える。今後、さらに慎重な検討が必要である。 カワゲラ目に関して、ミナミカワゲラ亜目の比較発生学的検討のために不可欠なニュージーランド(NZ)への採集調査を実施し、NZに生息するミナミカワゲラ亜目全3科の採卵に成功した。現在、発生学的検討に不可欠な、各発生段階の固定卵の確保を進めている。また、カワゲラ目の胚期の着色に関する論文1編を発表した。 そのほか、採卵のために飼育していたイシノミ目のうち、日本および極東ロシアのみに生息するヤマトイシノミモドキ亜科において、無翅昆虫類においてきわめてまれな、交尾のような配偶行動を行うという観察結果を得た。これは研究計画を策定した時点で予想していなかった成果であり、現在論文執筆を進めている。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|