研究課題/領域番号 |
20K00033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
笠木 雅史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (60713576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 認識論 / 知識 / 合理性 / 阻却要因 / 暴露論証 / 認識的規範 / 知識帰属 / メタ倫理学 / 徳認識論 / アジア哲学 / 認識的正当化 / 社会認識論 / 理由 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、信念の規範的身分の動的性格についての包括的・総合的研究として、主に以下の3つの問いに回答することを目的とする。
(1) 信念の規範的身分の決定・阻却に、異なる種類の理由はどのように影響するのか (2) 信念の規範的身分が阻却される仕方には、どのようなものがあるのか (3) 信念の規範的性格の動的変化についての理論的研究は、どのように現実社会に応用可能か
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研究成果の概要 |
本研究の主要な成果は、3つに分類できる。第一に、これまで信念の合理性の阻却要因として挙げられてきたさまざまなものを統一的に説明するものとして、「阻却要因は主体が知識を持つことを否定する内容を持つ」という理論を提示した。第二に、「高階の証拠」と呼ばれるタイプの阻却要因候補が、信念の合理性そのものではなく、信念形成に導く探求の実践的合理性にかかわる理由であると指摘した。第三に、特に日本固有の文化的背景や日本語の独自の特徴が、知識の阻却や否定に与える影響を分析した。これらの成果は、現在執筆中の書籍に取り入れ、また論文としても刊行する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
信念の合理性の阻却要因となるものはどのようなものなのか、そしてそれらがどのように信念の合理性を阻却するのかという点には、部分的な見解がさまざまに提示されてきたものの、統一的な説明は与えられてこなかった。本研究は、一部の阻却要因候補に新しい分析を与えるとともに、それらの統一的な説明を与えるという点で理論的な意義のあるものだと考えられる。また、この説明は、現実社会で問題となる見解の対立(特にインターネット上でのフェイクニュースの拡散や差別的行動)がなぜ生じ、しかも用意に解消可能ではないのかという点を(少なくとも部分的に)説明可能であるという応用的な意義も有していると考える。
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