研究課題/領域番号 |
20K00046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
米虫 正巳 関西学院大学, 文学部, 教授 (10283706)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フランス現象学 / ミシェル・アンリ / ドゥルーズ / バディウ / ラリュエル / デリダ / 出来事 / 実在性 / アンリ / レヴィナス / デュフレンヌ / マルディネ / ハイデガー / 現象学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「出来事」及び「実在性」という二つの概念を対象として、これらについての現象学的探究を日仏共同研究として行なうものである。出来事は物体とは区別されるが、それに固有の「リアリティ=実在性」を備えているという意味では、物体に劣らず、また物体とは別の仕方で、やはり一つの「実在」である。したがって出来事を出来事として把握するためには、物体とは異なるその特異な実在性の解明が不可欠となる。本研究は、このような出来事とその実在性を次の三つの観点から解明することを目指す。(1)日常的経験の現象学、(2)数学的経験の現象学、(3)出来事と実在をめぐる現象学と哲学史の再検討。
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研究実績の概要 |
2022年度は、過去2年間の研究活動を総合し、出来事と実在性に関する現象学的研究の最終的な成果を具体的な形にして取りまとめる予定であった。2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、最終的な成果を取りまとめるには至らなかったが、2022年秋以降は予定していた日仏の共同研究も対面で再開することが可能となった。2022年度の具体的な研究実績としては主に以下のものが挙げられる。 (1)川瀬雅也・米虫正巳・村松正隆・伊原木大祐編『ミシェル・アンリ読本』、法政大学出版局、2022年9月。 (2)Masami Komemushi, "Immanence (im)possible. Michel Henry ou Jacques Derrida ?", Colloque international "La pensee de Michel Henry", Universite Paris Nanterre, Sorbonne Universite, novembre, 2022. (3)米虫正巳「フランスで出会ったフィヒテとスピノザ」、日本フィヒテ協会大会第38回大会シンポジウム、於同志社大学&オンライン開催、2022年11月。 (1)は2022年に生誕100年を迎えたフランスの現象学者ミシェル・アンリの哲学の全体像を描き出そうとしたもの。全体の編集に携わると共に、3つの論考を執筆し、アンリ哲学の輪郭や独自性を他の3つの哲学との比較から浮き彫りにした。(2)はミシェル・アンリの哲学をめぐってパリ・ナンテール大学およびソルボンヌ大学で開催されたシンポジウムでの招待講演。アンリ哲学の中心概念である「内在」の可能性と不可能性を「出来事」という観点から検証した。(3)は日本フィヒテ協会のシンポジウム発表。フランス哲学の中でのフィヒテ知識学の位置をスピノザとの関係を通して明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、過去2年間に行なってきた研究活動や研究成果を総合し、出来事と実在性に関する現象学的研究の最終的成果を具体的な形で取りまとめるための本課題研究にとっての最終年度となるはずであった。しかしながら、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、残念ながら最終的成果を取りまとめるには至らなかった。というのも、本研究は日仏共同研究として計画されており、対面での共同研究を行なうことが困難な状況では研究の遂行に限界があったからである。そのため本研究課題の進捗状況はやや遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、残念ながら2022年度までに最終的成果を取りまとめるには至らなかったが、2022年秋以降は予定していた日仏の共同研究も対面で再開することが可能となった。そのため、当初の目標の実現に向けて、研究期間が延長されたこの1年で共同研究をさらに推し進める。
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