研究課題/領域番号 |
20K00113
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉原 浩人 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80230796)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 摂関期・院政期 / 呉越・北宋 / 日中相互文化交流 / 源清 / 源信 / 天台本覚思想 / 慶滋保胤 / 『心性罪福因縁集』 / 相互交流 / 呉越国 / 北宋 / 趙宋天台 |
研究開始時の研究の概要 |
宋商朱仁聡と僧斉隠は、奉先寺源清の牒状と典籍を携え、その批評を依頼した。これらは、源信ら多くの僧侶の目に触れたが、その中に唯心思想の流れを汲む、源清『法華十妙不二門示珠指』があり、「心と仏と衆生の三つには差別がなく、煩悩性の中に、如来の智慧が含まれる」という思想は、日本の天台本覚思想に直結するものと考えられる。しかも類似表現は、延寿仮託の『心性罪福因縁集』に頻出する。さらにこの時期、大江朝綱・大江匡衡・慶滋保胤・大江匡房らの文人は、渤海・呉越・北宋・高麗への対外文書作成にも携わっていた。これらの文献を詳細に検討することにより、同時代の思想・文化の背景を解明することを目指したい。
|
研究成果の概要 |
本研究では、日本の平安時代中後期、すなわち摂関期・院政期の僧侶と、浙江地方を中心とする呉越・北宋の仏教界の思想・文化的交流、そして文人貴族の対外認識について、統一的に把握し闡明することを目的とした。 中国では、唐末五代の乱によって寺院が荒廃し、日本に典籍を求める動きが活発化したが、相互交流の中で、日本の仏教界では、教学上の疑問を解決したり、書籍を中国に贈り評価を求める動きが顕著となった。本研究では平安中後期の、仏教・対外認識・文学表現を、同一の視点から分析し、従来指摘されていない日本思想の新たな本質に迫ることを目指し、一定の成果を挙げることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究期間の前半は新型コロナ禍の影響を受け、特に国際交流が停滞したが、期限内に論文・註釈7本を執筆し、国内外での講演・研究発表20回(うち本研究共催国際研究集会3回)を行い、社会に向けて成果を発信することができた。また本研究は、中国の国家社会科学基金重点項目「古代中日佛教外交研究」(江静代表)と連動させ、グローバルな視点から研究を推進することができた。研究課題の一つである、永観『往生拾因』と撰者未詳の『心性罪福因縁集』について出典調査・訳註を行い、ともに3年以内に訳註を出版する予定である。また『聖徳太子伝暦』の本文テクストも、2年以内に刊行する準備を進めている。
|