研究課題/領域番号 |
20K00143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田部 胤久 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80211142)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 古典賦活 / 『判断力批判』 / 美学理論 / 古代ギリシアとシェリング / 近代日本の美学 / 環境美学 / 美学の古典賦活 / 解釈学的循環 / 制作学的循環 / 美学における古典 / 無関心性 / シェリングと日本 / 美的仮象 / ファンタスマ / 古典の賦活 / 美学 / 古典概念 |
研究開始時の研究の概要 |
人文系の学問にとって古典の重要性はあらゆる研究者が指摘するところであるが、古典を現代に賦活する方途に関しては、必ずしも一般的な了解が成り立っているとはいえない。従来の訓詁註釈型の研究は古典の理解にとって不可欠の前提をなすとはいえ、古典を現代に接続するには不十分である。本研究は、美学の古典中の古典である『判断力批判』を取り上げて、それを単に2世紀前の歴史的書物として扱うのではなく、現代の美学理論を積極的に構成するものとして捉える方途を探り、古典賦活のためのモデルを構築する試みである。
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研究成果の概要 |
人文系の学問にとって古典の重要性はあらゆる研究者が指摘するところであるが、古典を現代に賦活する方途に関しては、必ずしも一般的な了解が成り立っているとはいえない。従来の訓詁註釈型の研究は古典の理解にとって不可欠の前提をなすとはいえ、古典を現代に接続するには不十分である。本研究は、美学の古典中の古典である『判断力批判』を人と角例として取り上げて、それを単に2世紀前の歴史的書物として扱うのではなく、現代の美学理論を積極的に構成するものとして捉える方途を探り、古典賦活のためのモデルを構築する試みを行い、その成果を『美学』(東京大学出版会)として公刊した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『判断力批判』を一つの例に採り、(a)カントの『判断力批判』から単に命題を拾い出すのではなく、むしろそこから美学的主題を拾い上げ、それらを論理的に再構成しつつ、(b)さらに一方で歴史を遡りカントの議論を古代ギリシア以来の美学史の内に位置づけ、(c)他方でまた同時に、カントの議論がその後の美学理論に及ぼした影響や、カントの議論の持つ(あるいは持ちうる)理論的射程について触れる、そうした三重の課題を果たす研究を行った。このことをとおして、私は古典一般を賦活すると同時に、古典を通して現代の美学理論を賦活するためのモデルを構築したと考える。
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