研究課題/領域番号 |
20K00375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小川 利康 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70233418)
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研究分担者 |
長堀 祐造 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 名誉教授 (40208046)
工藤 貴正 愛知県立大学, 外国語学部, 名誉教授 (80205096)
秋吉 收 九州大学, 言語文化研究院, 教授 (90275438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 周氏兄弟 / 『語絲』 / 魯迅 / 周作人 / 『晨報副鐫』 / 『莽原』 / 女師大事件 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は従来政治的意図で偏頗を免れなかった魯迅、周作人(周氏兄弟)の文学的評価を緻密なテクスト考証によって再検討し、文学者としての思想根幹を解明しようとする試みである。『語絲』刊行期における周氏兄弟の思想的親和性とその後の分岐要因を解明し、文学史に位置づけることを目的とする。特に1)周氏兄弟の翻訳の比較、2)周氏兄弟の女師大事件、三・一八事件における対応の比較、3)周氏兄弟と『語絲』同人との関係、以上3点を重点的に研究することで、従来の孤立的な個別作家研究の限界を超克し、相互に影響を及ぼしつつ成長し、ついに袂を分かった周氏兄弟を中心とする『語絲』作家像を描出したい。
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研究実績の概要 |
初年度、2年目はコロナ禍で研究は基本的に個人ごとに進めるほかなかったが、3年目の2022年度はコロナ禍のもとでも研究活動を円滑に進められるようになった。そこで2年目までは実現できなかった共同研究を積極的に進めた。 その到達点となるのが、2022年10月1日にオンライン(ウェビナー配信)で開催した国際シンポジウム「周氏兄弟と1920年代─『新青年』から『語絲』まで」である。会議は日中両言語を会議言語として進行した。中国から参加の7名、日本の8名とも日中両言語に通じた魯迅、周作人研究者であり、これまで注意されていなかった日中双方の貴重な文献史料による発表を行い、1920年代における草創期の中国文学に対する日本文学の影響の深さを改めて示すものとなった。 シンポジウムは遺憾ながらオンラインで開催せざるを得なかったが、ウェビナー配信で行ったシンポジウムの参加者は延べで735名にのぼり、参加者は日本だけでなく、中国、香港から多数参加があり、少数ながら大韓民国、マレーシア、シンガポール、ドイツ、フランスからも参加があった。今後も対面による交流が重要であることはもちろんだが、もう一方でオンライン配信の持つ可能性は今後も出来るだけ生かしてゆくべきだと感じさせられた。 国際シンポジウムによる共同研究の総括として、2023年3月には研究誌『周氏兄弟研究』(年刊誌)第1号を刊行した。魯迅、周作人研究を中心としつつも、関連する研究分野にも視野を広げる間口の広い研究誌として今後毎年刊行を継続してゆきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度、2年目はコロナ禍で研究が停滞したが、3年目の2022年度は国際シンポジウムを開催し、研究誌『周氏兄弟研究』を発刊できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究の集大成となるシンポジウムを対面で開催し、所期の目的としていた『語絲』時期における周氏兄弟の比較研究を進めたい。
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