研究課題/領域番号 |
20K00395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
奥田 暁代 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (40296736)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ハーレム・ルネサンス前期 / 世紀転換期アメリカ文学 / アフリカ系アメリカ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ハーレム・ルネサンス前期のアフリカ系アメリカ人作家をあらためてアメリカ文学史上に位置づけることによって、この時代の小説・詩・演劇の再考を試みるものである。ヴィクトリア朝の芸術と訣別し、モダニズムへと向かう決定的瞬間がハーレム・ルネサンスであるならば、ハーレム・ルネサンス前の文化的様相を考察することは、アメリカ文学の変遷を理解するうえで重要となる。さらに、ハーレム・ルネサンスを生む土壌となった世紀転換期の文化――出版文化に限らず、文芸クラブなどの集会、音楽・演劇などの公演、国内外に広がる出版ネットワーク――を明らかにすることで、アフリカ系アメリカ文学のより明確な流れを示していく。
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研究成果の概要 |
本研究はハーレム・ルネサンス前期のアフリカ系アメリカ人作家をあらためてアメリカ文学史上に位置づけることによって、この時代の小説・詩・演劇の再考を促すことを目的とした。ハーレム・ルネサンスは、モダニズムを先導する、アフリカの彫刻・絵画あるいは黒人の音楽が基盤となる新しい芸術様式であったのに対し、ヴィクトリア朝芸術の影響が残る前期には、広範囲な文化的交差が見られたことを明らかにした。とくに女性による朗読や演説、演劇など世紀転換期の文化表象を具体的に見ていきながら、アフリカ系アメリカ文学のアメリカ社会とのより深い関与を明示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究期間内には、海外の学術誌への論文掲載、共著の執筆、さらには国際学会での発表を行った。詩人のアリス・ダンバー=ネルソンが活用した出版を手助けする白人エージェントの存在、劇作家でもあるポーリーン・E・ホプキンズが注目したネイティヴ・アメリカンの歴史、朗読家としても活躍したホリー・Q・ブラウンとシェークスピア劇を演じたヘンリエッタ・V・デイヴィスが関わった社会運動、というように、それぞれの研究において一貫して世紀転換期の作家とその文化活動を明らかにした。不毛であったとされてきたこの時代のアフリカ系アメリカ文化を、女性の広範囲な活動に注目して論考にまとめた。
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