研究課題/領域番号 |
20K00440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高野 泰志 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50347192)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 侵略ナラティブ / ナチュラリズム / リアリズム / モダニズム / 侵略文学 / SF映画 / アメリカ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀末から20世初頭にかけて「侵略文学」と呼ばれる文学サブジャンルが爆発的に流行したが、これは近い将来に起こると仮定された侵略戦争を描くことで大衆の恐怖と不安を煽りたてた。しかし現在では文学史上でほぼ無視されており、ほとんど研究の対象となってこなかった。本申請課題はこのサブジャンルを歴史的に位置づけ、ここから派生したナラティブが大衆文化だけでなく主流文学にも大きな影響を与えていたことを解明する。
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研究成果の概要 |
「侵略ナラティブ」という概念を明確化し、歴史的に位置づけることで、20世紀の主流作家に与えた侵略ナラティブの深い影響力を解明した。扱った作家はフランク・ノリスやジャック・ロンドンなどの自然主義の作家を始めとし、ヘンリー・ジェイムズやイーディス・ウォートンなどのリアリズム作家、アーネスト・ヘミングウェイなどのモダニズム作家である。これらの作品を侵略ナラティブという概念を通じて見ることで、帝国主義的侵略と領土の侵害に関する恐怖や不安がこの時代の文学的想像力を根底から形作っていたことを明らかにした。世紀転換期における地政学的な力と文化的生産物との相互作用を理解する上で大きな貢献をしたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の日本をめぐる外交問題が非常に切迫した状況にあり、SNSを中心とした極端な右傾化やヘイトスピーチなどが大きな社会的問題となっていたことを考えると、他国に対する憎悪を生み出す「侵略幻想」を扱う研究は非常に重要であると考えられる。直接日本の状況を扱った研究ではないものの、日本の今日的状況に適切に対処するのに必要不可欠な研究であると考えている。
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