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近現代フランス演劇における<祝祭>概念の総括的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K00489
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02040:ヨーロッパ文学関連
研究機関東北大学

研究代表者

坂巻 康司  東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70534436)

研究分担者 大坪 裕幸  立教大学, 外国語教育研究センター, 特定課題研究員 (30833983)
井上 由里子  青山学院大学, 文学部, 准教授 (70601037)
水野 雅司  学習院大学, 付置研究所, 教授 (80286244)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードオペラ / 祝祭 / 言語 / 共同体 / 現代演劇 / 観客 / 身体 / 演劇 / フランス / 近代 / 現代
研究開始時の研究の概要

本研究は、近現代フランス演劇の構造(言語、身体、上演)を、文化人類学的観点から<祝祭>概念へ接近する「外在的」アプローチを越えて、徹底的に内部から見極める「内在的」アプローチにより、それらがいかに<祝祭>的なものとして成立するのかを剔抉する。同時に、<祝祭>を含む「芸術経験の共同性」が、逆説的に既存の共同体を揺るがす可能性もあるという事態の意味を明らかにすることも目指す。これは、<祝祭>概念への「包括的」アプローチと言える。つまり、「内在的」かつ「包括的」な姿勢を徹底し、<祝祭>概念を「総括」的に分析する点こそが、本研究の独自な姿勢である。

研究実績の概要

本研究は4名の研究者による共同作業を通し、近現代フランス演劇における<祝祭>概念の変貌過程を探求することを目的としている。2023年度も昨年度と同様に「そもそも<祝祭>とは何か?」という根源的な問いに立ち戻り、隣接分野からゲスト研究者を招いて、<祝祭>概念に対する理解を深めることを目指した。
そのような観点から、今年度は<祝祭>概念を考える上では外せないドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの楽劇をテーマに選び、第7回例会として「祝祭・オペラ・神話――リヒャルト・ワーグナーの楽劇について」と題するシンポジウムを2023年9月16日に実施した(於:東北大学東京分室)。このシンポジウムには音楽史、音楽美学、比較文学を専門分野とされる3名の研究者を招聘し、各々の知見を提示していただいた。まず、青山学院大学教授の広瀬大介氏には「ワーグナーのバイロイト“祝祭”、舞台神聖“祝祭”劇としての『パルジファル』」と題するご講演をしていただき、ワーグナー芸術の基本的な構えをご説明いただいた。続いて、北里大学准教授の安川智子氏には「フランスにおけるワーグナー受容の転換点――《ペレアス》後に起きたこと」と題するご講演をしていただき、フランスにおけるワーグナーの受容がいかなる形態を辿って行ったのかを専門家の立場から分析していただいた。さらに、福岡大学准教授の林信蔵氏には「エミール・ゾラと永井荷風を《タンホイザー》との関連でどう語り得るか」と題するご講演をしていただき、ゾラと荷風という二人の文学者がいかにワーグナー芸術と対峙したのかを解説していただいた。その後の質疑応答では活発な議論が展開され、改めてワーグナーという作曲家の特異性が確認された。
以上により、本研究が解明を目指す近現代フランスの舞台芸術における<祝祭>概念が、19世紀末にそれまで以上に複雑に変貌して行ったことが改めて浮き彫りにされた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度に開始された本研究であったが、コロナ禍のために2021年度まではオンラインのみでの例会実施を余儀なくされた。そのため、十分な研究活動ができなかったが、2022年度よりようやく対面での例会が始まり、研究活動が軌道に乗り始めた。
2023年度は前年度に引き続き、外部から多彩な研究者をゲストとしてお招きすることにより、充実したシンポジウム(第7回例会)を実施することができた。しかし当初は第8回例会を年度内に実施する予定であったが、諸々の事情により実施することが出来なかった。来年度以降、遅れを取り戻す予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度は、第9回、第10回の例会にそれぞれオペレッタ、そして万国博覧会を専門とされる研究者をお招きすることによって、引き続き19世紀末フランスにおける<祝祭>概念を検討して行く予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (12件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 占領下の恋人たちはどこを目指すか -- アンリ・ドコワン『初めてのランデヴー』をめぐって --2024

    • 著者名/発表者名
      水野雅司
    • 雑誌名

      言語・文化・社会

      巻: 22 ページ: 23-48

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 【書評】岡田温司著『ネオ・レアリズモーーイタリアの戦後と映画』2023

    • 著者名/発表者名
      坂巻康司
    • 雑誌名

      ヨーロッパ研究(European studies)

      巻: 17 ページ: 129-132

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 作者はだあれ:モリエール生誕400年の『守銭奴』2023

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 雑誌名

      ふらんす

      巻: 98(3) ページ: 54-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 夢かうつつか:ポムラとピィの童話劇2023

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 雑誌名

      ふらんす

      巻: 98(2) ページ: 54-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 俳優の個性に照らされて2023

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 雑誌名

      ふらんす

      巻: 98(1) ページ: 54-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] J. ドワイヨンの映画『ささいなことで』について ―― サロートの作品の映像化に関する一考察 ――2023

    • 著者名/発表者名
      水野雅司
    • 雑誌名

      言語・社会・文化

      巻: 21 ページ: 43-62

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] アントナン・アルトーと演劇の「ユーモア」2023

    • 著者名/発表者名
      大坪裕幸
    • 雑誌名

      立教大学フランス文学

      巻: 52 ページ: 79-98

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 取材からはじまる演劇創作2022

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 雑誌名

      ふらんす

      巻: 97(12) ページ: 54-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 蜜蜂とともに2022

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 雑誌名

      ふらんす

      巻: 97(11) ページ: 54-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ピーター・ブルックと現代演劇2022

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 雑誌名

      ふらんす

      巻: 97(10) ページ: 54-55

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 【書評】斎藤一郎著『ゴンクール兄弟とその時代』2022

    • 著者名/発表者名
      坂巻康司
    • 雑誌名

      ヨーロッパ研究(European studies)

      巻: 16 ページ: 101-104

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Un itineraire inconnu de Sartre a Koltes : changement des images de l'autre dans le theatre francais a la fin du XXe siecle2021

    • 著者名/発表者名
      SAKAMAKI Koji
    • 雑誌名

      EUROPEAN STUDIES

      巻: 15 ページ: 59-81

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 関西マラルメ研究会の20年2023

    • 著者名/発表者名
      坂巻康司
    • 学会等名
      関西マラルメ研究会創立20周年記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 現代フランスのマラルメ研究の傾向--BohacとEttlinを中心に2023

    • 著者名/発表者名
      坂巻康司
    • 学会等名
      関西マラルメ研究会創立20周年記念シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ダンスが生まれるとき:中嶋夏〈心と身体の学級〉をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 学会等名
      近現代演劇研究会 永田靖教授退職記念行事「演劇研究の未来」(大阪大学)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] La Republique des traducteurs2022

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 学会等名
      Atelier de la pensee autour des traducteurs de Valere Novarina (Institut francais Berlin)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] <祝祭>のヴィジョンを振り返る――未開社会から19世紀末まで2022

    • 著者名/発表者名
      坂巻康司
    • 学会等名
      「演劇と祝祭」研究会 第4回例会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 境界の言葉――サロートの演劇作品をめぐって2022

    • 著者名/発表者名
      水野雅司
    • 学会等名
      「演劇と祝祭」研究会 第4回例会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] ノヴァリナによる祝祭――『セーヌ』(2003)と『激昂空間』(1991)2021

    • 著者名/発表者名
      井上由里子
    • 学会等名
      「演劇と祝祭」研究会 2020年度 第3回例会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 観客の場所――マイケル・フリードの論から出発して2020

    • 著者名/発表者名
      大坪裕之
    • 学会等名
      「演劇と祝祭」研究会 2020年度 第2回例会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] La republique des traducteurs: en traduisant Valere Novarina2021

    • 著者名/発表者名
      Yuriko Inoue et al.
    • 総ページ数
      324
    • 出版者
      Hermann
    • ISBN
      9791037010117
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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