研究課題/領域番号 |
20K00571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩谷 茂樹 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (70273737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | モンゴル語族 / 民和土族語 / 文法記述 / 語彙 / 通時的音声変化 / 派生接尾辞 / 通時的意味変化 / 述語の主観客観形式 / 中国のモンゴル系言語 / 語彙調査 / 主観・客観形式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国の甘粛・青海省におけるモンゴル系孤立的諸言語、通称「河湟語」の一つに位置付けられる土族語のうち、記述研究が従来不十分で、その実態があまり知られていない民和方言(話者人口推定1万人)、別名「民和土族語」を取り上げ、共時的見地から、当該言語の詳細な文法記述と語彙調査を徹底的に行うことにより、民和土族語が一体どのような言語なのか、その全体像を明らかにするとともに、通時的見地からは、モンゴル祖語から受け継がれた共通特徴と当該言語で独自に発展させた改新特徴を弁別することにより、最終的には、モンゴル系言語全体(=モンゴル語族)の中での民和土族語の位置付けを目指すものである。
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研究成果の概要 |
「中国のモンゴル系民和土族語における文法記述と語彙に関する総合的研究」と題する本研究は、中国の甘粛・青海省におけるモンゴル系民和土族語を取り上げ、共時的見地から、当該言語の詳細な文法記述と語彙調査を行うとともに、通時的見地からは、モンゴル祖語から受け継がれた共通特徴と当該言語で独自に発展させた改新特徴を明らかにすることで、モンゴル語族の中での民和土族語の位置付けを目指した。 本研究の結果、2020~2023年度の研究期間中、本研究テーマに関し、学術論文を6本公刊(うち2本は近刊予定)したほか、国際学術会議や公開セミナーで、口頭発表を5本すべてモンゴル語で行う等、国内外に研究成果を公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究期間内に実施した研究成果として、民和土族語の音声的特徴として、母音変化と子音変化の2つの主要な音声変化を明らかにしたほか、形態・語彙的特徴として、当該言語の派生接尾辞の記述に成功した。また統語的特徴として、当該言語特有の述語における主観・客観形式の弁別に関する基礎的研究を行った。さらに意味的特徴として、若干の語彙に言及し、通時的側面から意味変化の過程を明らかにした。 総合的に見ると、上記研究成果によって、モンゴル語族における民和土族語の位置付けの問題に深く分け入り、当該言語の全容解明に一定の結果を残したものと評価できる。
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