研究課題/領域番号 |
20K00594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
三村 竜之 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00647662)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | アイスランド語 / アクセント / 通時音韻論 / 言語変化 / アクセント史 / 音韻史 / 歴史言語学 / 音韻論 / フィールドワーク / 文献資料 / ストレスアクセント / 古アイスランド語 / 言語学 |
研究開始時の研究の概要 |
アイスランド語は中世以降の文献が豊富に現存する一方、アクセント史の研究は発展途上である。現代語の音声資料を用いた研究手法が確立されていないことに起因する。本研究課題では、中世から近代にかけて出版された文献資料を補完すべく、フィールドワークを通じて現代アイスランド語の音声資料を採取・分析し、さらに歴史的に関連の強いデンマーク語やノルウェー語諸方言の資料との比較研究を行う。以上の研究手法を通じて応募者は、アイスランドのアクセントの史的変遷と変化のメカニズムの解明を試みる。本研究は、アクセント変化の可能性を探る上で貴重な知見を提供し、歴史言語学の進展にも貢献するという意味で学術的に有意義である。
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研究成果の概要 |
母語話者とのフィールドワークと図書館等での文献調査を通じて、本研究の課題であるアイスランド語のアクセント史に関して次の三つの事柄を改名した: i) 現代語のアクセントは語の構造を問わず、基本的には第一音節(左端の音節)に現れるが、比較的新しい外来語や話者にとって馴染みの無い外来語の場合は例外的に第一音節以外にアクセントが置かれる; ii) 中世期のアクセント体系も現代語と同じ一型体系; iii) 単純なアクセント体系を保持することでアクセント規則の単純化も維持され、言語使用の際の労力を最小限に抑えることが可能となるため、アクセント体系の歴史的な変化が起こらなかったと推定される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
声調やピッチアクセントに比べてストレスアクセントの実態はいまだ不明な点が多い。英語など一部の主要言語のストレスアクセントを対象とした理論研究に偏向していることが原因である。未だ研究途上のアイスランド語のストレスアクセントを記述言語学の観点から扱った本研究課題の成果は、ストレスアクセントの変化の種類と方向性(体系維持、消失、体系変化)など言語の史的研究全般に関する重要な知見を与え、学術的に意義がある。また本研究の基礎調査を通じて明らかとなった現代アイスランド語のアクセントに関する情報は、アイスランド語のみならず広くストレスアクセント言語の発音教育に活かすことができ社会的にも有意義である。
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