研究課題/領域番号 |
20K00686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
松藤 薫子 日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 教授 (90334557)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 所有表現 / 日本語 / 所有 / 言語化 / 普遍性 / 多様性 / 所有の概念 / 部分全体関係 / プロトタイプ / 中心的段階性 / 所有の言語化 / 所有の概念化 / 子どもの言語発達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、所有の言語理論構築を目指す。具体的には①所有に関わる諸概念を概観し、②所有の概念がどのように言語化されるのかを、言語理論、類型論、意味論、語用論の視点から検討する。③所有の概念化と言語化がどのように発達するかを実証的資料に基づき検討する。④所有の言語化に関わる普遍的な原理と所有表現の発達順序に関わる要因について考察する。このような理論的実証的研究は言語理論と言語獲得理論の精緻化に貢献すると考えられる。
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研究実績の概要 |
本研究は、これまで様々な研究から得られた知見を統合して、所有の言語理論構築を目指す。具体的には所有に関わる諸概念を概観し、所有の概念がどのように言語化されているのかを、言語理論、類型論、意味論、語用論の視点から検討する。所有の概念化と言語化がどのように発達するかを考察する。 2021年度と2022年度は、2020年度に所有の概念を考察した知見に基づき、言語獲得の最終産物である成人の言語の仕組みにおいて、所有がどのように言語化されているのかを明らかにするために、先行研究では、所有の言語化についてどのような記述や説明がなされているのか、世界の諸言語では、所有の言語化においてどのような普遍性と多様性がみられるのかを考察した。 2022年度では、2020年度の知見から所有の意味タイプは10種類あると仮定し、日本語には、所有表現として名詞的所有と叙述的所有があり、それぞれ10種類の意味タイプを表すことが可能である。これ以外の所有表現を周辺的な所有表現と呼ぶことにする。その表現は、意味的な所有者と所有物な関係を、所有者は動詞の中心的な文法関係で、所有物は所有者とは違う構成素で表す構文である。そのような構文として、日本語では、他動詞文、所有受動構文、二重主語構文がある。2022年度では、この3つの構文の統語的特徴と意味的特徴を考察した。その結果、所有者を表す名詞句が文内にある他動詞文は3つの意味タイプ、所有者名詞句が単文を超えた文頭にある所有受動構文は7タイプ、所有者名詞句が単文を超えた文頭にある二重主語構文は10タイプを表すことが可能であること、表す意味範囲の違いは、所有者の生起位置、動詞の種類と意味が関係することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費の助成を受け、研究計画に基づき、研究はおおむね順調である。研究発表においては、投稿予定であった雑誌が、研究論文の募集停止をし、投稿できなかった。積み上げてきた研究成果を学会で発表するため準備をしている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2020年度から2022年度の所有の概念や所有の言語化を考察した知見に基づき、所有表現がどのように獲得されるのかを明らかにする。具体的には、様々な所有の形式を使用して、所有を表す複数の意味タイプのうち、どの意味タイプが一番表されているのかを考察すると、身体部位の所有の意味であり、所有の意味の中で中心的な意味タイプであると考えられる。子どもが身体部位を表す表現をどのように獲得するのかを考察し、身体部位の所有を表す形式の多様性のメカニズムを検討する。
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