研究課題/領域番号 |
20K00857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
阿部 始子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00449951)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 小学校外国語教育 / 相互文化的市民性(IC) / 民主的文化をつくるための能力参照枠(RFCDC) / 教師教育 / 地球市民の育成 / 民主的文化のための能力参照枠(RFCDC) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では相互文化的コミュニケーション能力に関し先進的な研究を行うDurham UniversityでDr. Michael ByramやDr. Prue Holmesに直接指導を仰ぎ日本の文脈に合わせた理論的枠組みづくりを行う。また、イギリスの小学校で子どもたちが外国語教育を通してICCを構築するプロセスを調査し、帰国後日本の小学校でも実際に試しより実践的な指導法を提案する。また、東京学芸大学で、教員養成課程で学ぶ学生及び現職の小学校教員を対象に、構築した教員研修プログラムを試行・検証しながら修正を加え、よりよい教員研修プログラムを構築し、東京学芸大学のもつネットワークを活かした普及を行う。
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研究実績の概要 |
本研究はIntercultural Citizenship (IC)を小学校段階から外国語教育を通して育成するための体系的な実践プログラムとそれを普及させるための教員研修プログラムの構築を目的とする。2022年度は1) 小学校におけるIC育成のための授業実践の例示(成果は学会発表①②,研究セミナー、公開講座①~④)、2)教員養成におけるICC(相互文化的コミュニケーション能力)育成のための国際協働プロジェクトの継続(学会発表④、学術論文)、3)小学校におけるCDC(民主的文化を作るための能力)を育成する国際共同プロジェクトの継続(学会発表③)、4)教員研修プログラムの実施及びアンケート調査(公開講座Ⅰ~Ⅵ)、5)教員ネットワークの構築(ICCEPET1~5回)に取り組んだ。その意義や重要性として、これまであまり蓄積のなかった当該分野の実践の蓄積と共有、国際協働プロジェクトによる研究手法の開発、公開講座とネットワークづくりによる教師教育体制の構築とプログラム開発があげられる。 【研究会セミナー】小学校外国語授業づくり研究会「小学校外国語における国際理解教育4つのアプローチ」 【オンライン公開講座】授業体験WS①相互文化理解・②SDGs、授業力アップWS③何を育てる?④どうやって育てる?、先生の相互文化的コミュニケーション能力を育てるWSI.自分という「文化」、II.自(国)文化を批評的に振り返る、III.文化を多面的にとらえる、IV.異文化理解を促す、V.地球的課題に取り組む、VI.社会・世界の中で生きる 【教師支援】「地球市民を育てる小学校外国語教師ネットワーク:ICCEPET(Intercultural Citizenship Education through Primary EFL Teaching)」を全5回主催
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に予定していたDurham Universityでの1年間の文献研究・フィールド調査はCOVIDの影響で2022年3月まで実現できず、本研究の全体計画を見直し、ドイツの研究者と国際共同研究プロジェクト(小学生を対象にした実践研究・大学生を対象にした教員研修のための研究)を立ち上げ、継続している。この変更は「小学校段階から外国語教育を通してIntercultural Citizenship(IC)を育成するための体系的な実践プログラム」の構築に後れを生じさせる原因とはなったが、2022年度は上記1)に示した通り、小学校での実践方法の蓄積と共有を着実に進めているので、今後も継続し、本またはウェブ公開という形で広く共有していきたい。また、当初2022年度の主計画であった「教員研修プログラムの構築」については、セミナー(1回)・公開講座(10回)・ネットワーキングミーティング(5回)などを行い、プログラム作成のためのコンテンツの蓄積はできているので、本研究を1年延長し、公開講座参加者へのアンケート調査やネットワーキングミーティングでのヒアリングなどを通してプログラムの内容を精査し、理論的枠組みに基づき体系的に分かりやすくしてまとめたものを、本またはウェブ公開という形で広く共有していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
「小学校から外国語教育を通してICを育成するための体系的な実践プログラム」の構築に向けては、これまでの実践研究の蓄積に加え、CDCを基盤にした国際協働アクションリサーチを推進し、日本の学習指導要領との整合性もとりながら以下のような方法で広く共有していく。「地球市民育成のための小学校外国語教育」をテーマにした研修会:1)東京私立初等学校協会小学校外国語教育研修会(7月4日)、2) 東京学芸大学現職教員研修講座@鳥取(7月28日)、3)講演及びワークショップ@神奈川県横須賀市(8月4日)、日本国際理解教育学会学会第32回研究大会(7月1-2日)、第23回小学校英語教育学会(JES) 近畿・京都大会(7月22-23日)での発表を予定している。 「教員研修プログラムの構築」については、東京学芸大学現職教員研修講座(オンライン:8月10・25日及び2~3月の3日間)を実施し、アンケートやインタビュー調査を通して、その有用性についてヒアリングする。2022年度に取集したデータと合わせて教員研修プログラムのテキストを作成する。また、2022年度に5回開催した「地球市民を育てる小学校外国語教師ネットワーク:ICCEPET(Intercultural Citizenship Education through Primary EFL Teaching)」のミーティングを、2023年度は6回(奇数月)開催し、教師研修プログラムの支援体制がうまく機能するように努める計画である。教員研修に関するデータのまとめは、日本児童英語教育学会第43回秋季大会(10月8日東京)、International Association of Language and Intercultural Communication (IALIC) 2023(12月1~3日Cyprus)で発表する予定である。
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