研究課題/領域番号 |
20K00870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
宮本 節子 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (80386896)
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研究分担者 |
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (60449113)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 英語教育 / 分野別英語教育(ESP) / 観光英語 / リンガ・フランカとしての英語(ELF) / 国際英語論 / 日本英語 / Stimulated recall / 台湾 / 外国語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
訪日観光客の半数を占める中国英語使用者にとって聴解しづらいであろう日本英語の特徴を特定し、インバウンド観光現場での英語コミュニケーションに特化した日本英語の英語聴解教材を作成し、教材の実効性を学習者(中国英語話者)、被学習者(日本英語話者)の双方を対象に検証する。教材は、相互理解達成のためにはいかなる英語も等価とする「国際語としての英語」、及びコミュニケーション上の実需に対応した教育を唱える「分野別英語教育」の基本理念に基づいて作成される。訪日旅行者の行動の旅行満足度を高め、日本の英語観が「アメリカ英語学習」から「国際共通語としての英語」へと変わっていくことにつながるだろう。
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研究実績の概要 |
本研究は、前科研課題(「学習対象としての周縁的英語論の試み:タイ人訪日旅行経験に基づくタイ英語の教材化(挑戦的萌芽研究2016-8年度)」)で構築した理論的枠組みや実践で得た知見を発展させ、中国語を母語とする訪日旅行者向けの日本英語教材を作成し、効果を検証することを目的としている。 2022年度は研究最終年度であり、当初の計画であれば、年度初旬に日本英語に対する言語態度と接触経験に関する大規模アンケート調査を台湾で実施する予定であった。しかしながら、前年度に行った小グループへの聞き取り調査の内容を精査した結果、教材に盛り込むべきコミュニケーションの諸相における課題の特定には更に踏み込んだ形の定性調査の方が適切と判断し、調査方法を年度途中で転換した。具体的には旅行者自身の旅行行動の録画データを用いた刺激的回想法(stimulated recall, Gass & Mackey, 2016) を部分的に採用し、台湾人旅行者の特定の行動選択に影響を与える要因について包括的な理解に努めた。調査は2022年度末現在も継続中であるが、台湾人旅行者と日本人スタッフとの間には、言語(英語)、非言語、アプリケーション使用のそれぞれのコミュニケーション行動の頻度とタイミングが異なる傾向が見られ、その違いが台湾人旅行者の日本英語の総合的な理解に影響している可能性があることが分かった。これらの知見を教材作成に盛り込むために本研究活動を一年間延長し、新たに最終年度とした2023年度の前半には現在継続中のStimulated recallを用いた調査を終了し、教材作成を完了する見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記「研究実績の概要」で述べた通り、調査手法の変更の判断が年度途中であったこと、また調査協力者の確保が日本への入国規制解除のタイミングと重なったため、実際の調査着手も年度後半に実施となったことが研究調査の遅れの主な原因である。この期間、観光英語教育や接遇コミュニケーションを専門分野とする国内研究者との意見交換、及び補完調査として、北海道地域(知床、旭川)の接遇担当スタッフ及びスタッフを統括するマネージメントスタッフ、特定の資格を有する野外観光ガイド、民間でのインバウンド受け入れ対策を支援する自治体や官公庁(観光局、環境省)の担当者に聞き取り調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
新たに最終年度と定めた2023年度前半に実地調査によるデータ収集を終了し、並行して教材作成に着手する。作成経過過程についても発表の機会を多く持つ予定である(Asia Pacific Tourism Association, AsiaTEFL, 日本「アジア英語」学会大会等)。また、年度内の教材評価もオンラインで都度実施する予定である。
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