研究課題/領域番号 |
20K00998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 東京外国語大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
熊倉 和歌子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (80613570)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 環境史 / マムルーク朝 / オスマン朝 / 村落社会 / アラブ部族 / ウルバーン / 地方行政 / マムルーク体制 / 灌漑 / 中世エジプト史 / イクター制 / ナイル / 農業 / 土地制度 / 水利 / 国家体制 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世温暖期から小氷河期へと移行する時代にあたる14世紀半ばから15世紀のエジプトにおいて、環境変動が村落社会に与えた影響や、地方行政の変容について考察する。この時期のエジプトは、1347年に始まった黒死病以降、深刻なペストの流行が繰り返され、慢性的に人口が減少していった。また、ナイルの水位が次第に上昇し、水害に見舞われることが以前に比して多くなった時期でもある。こうしたことから、村落社会における農業生産や灌漑、徴税にかかわる慣行や、それをめぐる人々の関係、環境変動期に見られた諸現象に対して、国家が見せたリアクションとしての地方行政の変化について検討していく。
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研究成果の概要 |
本研究は、14世紀半ばから15世紀の環境変動期のエジプトを対象とし、環境変動と村落社会の状況、地方行政の変容との相互作用を究明した。そこで論点としたのは、第1に、村落社会における農業生産や灌漑、徴税にかかわる慣行や、それをめぐる人々の関係、第2に、環境変動期に見られた諸現象に対して、国家が見せたリアクションとしての地方行政の変化である。これらの問題に対し、オーストリア国立文書館所蔵の文書史料群から得られる村落社会の慣行や人的関係に関する情報や、叙述史料から得られる地方行政官の任官記録の解析によってとりくんだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動やコロナ禍を経験した現代の状況と、中世温暖期から小氷期へと移り変わり、ペストが蔓延した14世紀から15世紀の状況は重なる部分が多い。そのような変化の時代の中で、地方行政や村落社会がどのように変容したかを追究することは、環境変動に対し、人間がどのようなリアクションをとってきたかを知る上で重要である。
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