研究課題/領域番号 |
20K01064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
武田 和久 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (30631626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イエズス会 / グアラニ先住民 / 布教区 / 洗礼簿 / 住民名簿 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、18世紀の南米ラプラタ地域(現在のパラグアイ南東、アルゼンチン北東、ブラジル南部、ウルグアイからなる領域)のイエズス会布教区(アメリカ先住民のキリスト教化のために設立された施設)に関する洗礼簿の分析を通じて、グアラニ語系先住民の伝統的社会組織(カシカスゴ)の特質を解明し、カシカスゴがスペイン植民地体制下においても温存された理由とその歴史的な意義を探ることで、そもそもスペインの植民地支配の本質とは何であったのかという命題に対して解答を出すことを目指す。その際、2008年度から継続してきた洗礼簿とは別の史料、住民名簿(パドロン)に関わる研究方法や成果を踏まえて研究を進めていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、スペイン領南米ラプラタ地域のイエズス会布教区のうち、現パラグアイのサンタ・ロサ布教区洗礼簿(1754-64)の記載事項を住民名簿と照らし合わせて浮上した新事実を提示した。重要な論点は次の2点である。(1)この11年間に行われた洗礼式において代父となったグアラニが属したカシカスゴを現存する住民名簿から経年的に辿っていくと、そうしたカシカスゴがサンタ・ロサにおいては歴史的に由緒あるものであった。(2)個々の洗礼記録には新生児の母親が属するカシカスゴが記載されたが、この赤子の成長を住民名簿から辿っていくと、赤子は成人して所帯を持ってからも母親が属したカシカスゴに所属し続けていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先住民を対象とする歴史学的研究には古典的テーマが存在するが、そのうちの一つがカシケやカシカスゴhに関するものである。これについては、アステカ、マヤ、インカ以外の先住民を対象とする研究はあまり進んでいない。本研究は、これまで等閑に付されてきたラプラタ地域の先住民グアラニに関してカシケ・カシカスゴの観点から研究を行ったものであり、洗礼簿やパドロン(住民名簿)など、ヨーロッパ系の人間が書き残した史料を分析対象とした。こうした史料が内包する情報を分析したことで、巨大文明を作り上げた先住民を中心に行われてきたカシケ・カシカスゴ研究に新たな視座を提示した。
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