研究課題/領域番号 |
20K01076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 考古学 / 古墳時代後期 / 横穴式石室 / 三次元計測 / 北部九州 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,6・7世紀の古代国家形成期における地域支配体制の実態解明のため,各地の前方後円墳・群集墳などで築造された横穴式石室とそこから出土した副葬品などを主な素材として考古学的な検討を行う。具体的には,横穴式石室の三次元計測による形態・規模の比較,副葬品からみた階層性の観点から,地域支配のあり方を考古学的にモデル化し,その上で文献史学で想定されてきたミヤケ制・国造制・部民制などの理解との接続の可能性を探る。研究対象とするのは,主に北部九州地域であり,この地域をめぐる在地支配体制についての考古学的モデル化を行うことを通じて,日本列島の古代国家形成過程における6・7世紀史の意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は,日本列島の古代国家形成過程について,地域支配の観点から考古学的に説明することを目的とする。具体的には,北部九州を対象地域としながら,6・7世紀の古墳の埋葬施設である横穴式石室について三次元計測を行い,北部九州各地における地域社会の秩序について検討を行った。 その結果,6世紀の北部九州においては,前方後円墳の築造停止のあり方について,大きく3つの類型化が可能であることが明らかとなった。いずれの場合も最上位の古墳では北部九州の在来の横穴式石室が採用されており,6世紀代の地域支配が,ヤマト王権との政治的結びつきとともに,地域社会の在地的な秩序を背景としながら展開したものと想定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島の古代国家形成過程と地域支配の実態を考える上では,考古学・文献史学双方の成果が重要である。本研究では,考古学的な資料として,北部九州における6・7世紀代の古墳と埋葬施設としての横穴式石室および副葬品などを扱いながら,6・7世紀のミヤケ制・部民制といった文献史学の成果との接合を試みた。 その結果,北部九州の中でも那津官家などが設置された博多湾沿岸地域と,有力氏族の勢力基盤が安定した地域などでは前方後円墳の築造停止過程が異なることなどを確認した。このことは,ミヤケ制や部民制の地域的実態を示すとともに,古代国家形成過程を実証的に説明する上での考古学的資料・方法の有効性を示すものと考える。
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