研究課題/領域番号 |
20K01099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
桃崎 祐輔 福岡大学, 人文学部, 教授 (60323218)
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研究分担者 |
栗崎 敏 福岡大学, 理学部, 准教授 (20268973)
石黒 ひさ子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (30445861)
脇田 久伸 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 特命研究員 (50078581)
小嶋 篤 九州歴史資料館, 埋蔵文化財調査室, 研究員(移行) (60564317)
沼子 千弥 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80284280)
市川 慎太郎 福岡大学, 理学部, 助教 (90593195)
古澤 義久 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40880711)
岡寺 良 福岡県立アジア文化交流センター, その他部局等, 主任研究員 (70543693)
上野 淳也 別府大学, 文学部, 教授 (10550494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 棒状鉄素材 / 鉄鍋 / 12世紀 / 華光礁1号沈船 / ジャワ海沈船 / 南海1号沈船 / 朝倉市才田遺跡 / 波照間島大泊浜貝塚 / 蛍光X線分析 / 横浜市西ノ谷遺跡 / 福岡県朝倉市才田遺跡 / 八重山諸島 / 日本刀 / 大鎧 / 沈船遺物 / 棒状鉄製品 / 流通鉄素材 / 日本刀素材 / 日宋貿易 / ヤコウガイ交易 / 宝満山大山船 / 刀鍛冶 / 鉄素材 / 呑口式腰刀 / 産地由来分析法 / 海中鉄経年変化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の遺跡出土の鉄素材と、中国沈船の鉄素材を考古学・自然科学的手法で分析して比較検討する。これによって、従来、たたら製鉄による国産鉄が主体と考えられていた中近世の流通鉄や日本刀素材に、中国からの輸入鉄が含まれている可能性を検証する。 日本側では、福岡県才田遺跡などの中世遺跡出土の棒状鉄素材や、中世墳墓から多量に出土する呑口式腰刀を分析対象とする。 中国では、南海1号や華光礁1号などの沈船に大量に積載された鉄素材や、鷹島沖海底沈没船など日本近海の中国沈船の鉄製品を分析する。考古学と自然科学の融合研究を実現することで、両国間で中世から近世にかけて流通した鉄の由来を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究を通じ、日本出土の棒状鉄素材には、考古学的状況や自然科学的分析値からみて、中国から輸入された鉄を含む可能性が高まり、波照間島の事例より、琉球も同様であること、日本の製鉄遺跡が古代から中世への移行期に急減するのも、輸入鉄の影響が推定されることを指摘した。自然科学的分析では、日本産鉄と中国産鉄を峻別する基礎研究を進め、鉄製品銹化の蛍光Ⅹ線分析値への影響、海洋生物による沈船鉄遺物の変質に見通しを得た。一方、中国との学術交流は不十分に終わった。2021年度には九州国立博物館で科研成果展『アジアを変えた鉄』・シンポジウムを開催した。2023年3月に科研報告書を刊行、最終会議・調査を経て終了した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の流通鉄は、国産砂鉄を始発原料とするたたら製鉄で生産され、日本刀や大鎧、農具に加工されたと信じられ、中世の戦乱や農業発展も発展段階的な脈絡で説明されてきた。過去にも疑問は示されたが、輸入鉄の存在を実証できず、支持されなかった。しかし中国の沈船に1隻あたり数十~200トンもの棒状鉄素材や鉄鍋が積載され、日本でも全く同一の遺物が出土する事実について、科研成果展『アジアを変えた鉄』・シンポジウムで世に問うた結果、複数の新聞で報道され、日本刀を国産の玉鋼製だと信じる研究者や一般市民に衝撃を与えた。また分担者上野は、近世日本刀素材の南蛮鉄の検討を進めた。これにより、日本刀素材を見直す機運を高めた。
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