研究課題/領域番号 |
20K01153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 海上保安大学校(海上保安国際研究センター) |
研究代表者 |
川村 紀子 海上保安大学校(海上保安国際研究センター), 海上保安国際研究センター, 准教授 (80442458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 法地質学 / 包有物 / 磁気測定 / 非破壊分析 / 石英 / 磁気分析 / 土砂 / 海砂 |
研究開始時の研究の概要 |
「この土砂は,どこから来たのか」という問いは,地理学や地質学はもとより法科学分野において追及される課題である。石英は,土砂に普遍的に含まれている鉱物であり,近年,国内においてこの形態の特徴から,土砂の由来を推定する研究が実施されている(例えばItamiya et al., 2019)。また石英の包有物は,鉄やチタンの酸化物から成り,強い磁性を持つので,非破壊で迅速な磁気測定が可能である。本研究は,磁気測定で得られたデータから,土砂の由来を推定する手法を確立する。
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研究成果の概要 |
堆積物や土壌は犯罪の現場から証拠品として採取される。法科学と地質学の観点から「これらの岩片や鉱物はどこからやってきたのか」と必ず問われる。本研究は違法行為が起こり得る場所、また常に堆積粒子が移動する場所として海岸堆積物に特に注目した。Itamiya et al. (2019)は青森の海岸の9地点の堆積物中に含まれる石英の微細構造を観察し、地域ごとの特徴を明らかにした。石英に加えて同じ地点の試料の長石や磁性鉱物にも注目した。なぜなら海岸堆積物は海水や降水の影響を常に受けるが、これらはpH変化に影響されない。我々はこれらの包有物を分析して、磁気的に同定することが可能であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究開始当初は、石英の包有物のみに着目していたが、堆積物に普遍的に含まれる磁性鉱物長石の包有物についても磁気分析や元素分析を行ったところ、採取地点ごとの特徴を見出すことができた。石英に限らず、他の鉱物の包有物の特徴を組み合わせることにより、より詳細な堆積粒子の採取地点の推定に応用できる可能性がある。このことは、法科学分野での堆積粒子の由来推定だけでなく、環境学分野や地質学分野での粒子の移動経路についての研究において、大きな発展が見込める。
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