研究課題/領域番号 |
20K01262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
松本 英実 青山学院大学, 法学部, 教授 (50303102)
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研究分担者 |
三谷 惠子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10229726)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (80114437)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 法典化 / 法格言 / 古代法 / スラヴ法 / モンテネグロ一般財産法典 / ボギシッチ / 法言語 / 慣習法 / ユーゴスラヴィア / 法典 / ローマ法 / regula / 民法典 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「法典化と法格言―古代法・スラヴ法・近代西洋法」は、法格言という表現形式の意味を、法と言語の関係、法の実効性担保という二点から考察する。古代法以来の法格言の系譜と近代化の過程で用いられた法格言とを結びつけ、法学と言語学の双方を用いながら、モンテネグロ一般財産法典を素材とすることによって、法典化と法格言の関係を、実証的に、かつ法の実効性担保の観点から明らかにすることを目的とする。この問題は同時に近代法における慣習法の位置づけとも密接不可分である、ということを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究は、古代法以来の法格言の系譜と近代化の過程で用いられた法格言とを結びつけ、モンテネグロ一般財産法典を素材とすることによって、法典化と法格言の関係を、実証的に、かつ法の実効性担保の観点から明らかにした。古代ギリシア・ローマ法にまで視野を広げることにより、法格言が実行性担保のための必要不可欠な方法であるとみる視点が得られ、この観点から近代法典における慣習法の問題にも新たな視点が切り開かれた。モンテネグロ法典は、法典化すべき法分野と慣習法に委ねるべき分野を区別したうえで、法典化される法の一角に法格言を位置づけるという構造を持っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に、本研究は法格言規定を素材として、法的問題の言語的側面、言語的問題の法的側面を明らかにする。第二に、スラヴ法研究に関して、従来は社会主義法、ロシア法の研究という比較法的観点から専ら分析されてきたが、本研究はモンテネグロ法典をスラヴ前近代法も視野に入れつつ近代法典化の好例としてこれを分析する。第三に、従来は法格言を法の実効力についての法哲学・法理論的観点から分析した研究は皆無であった。古代ギリシア・ローマ法にまで視野を広げることにより、法格言が実行性担保のための必要不可欠な方法であるとみる視点は新規なものである。この観点から近代法典における慣習法の位置づけにも新たな視点が獲得された。
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