研究課題/領域番号 |
20K01464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
原田 勝孝 福岡大学, 経済学部, 准教授 (30738810)
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研究分担者 |
伊藤 岳 大阪公立大学, 経済学部, 准教授 (80773895)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レガシー / 空襲 / ソーシャル・キャピタル / 向社会性 / フィールド実験室実験 / GIS / ソーシャルキャピタル / 経済実験 / インターネット実験 / 歴史政治経済学 / モバイルデータ / 地理情報システム / 政治参加 / 災害 / 因果推論 / リモートセンシング / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
地震や津波、戦争などの災害は後世に負の遺産を残すというのが、一般的な予想であるが、政治経済学の先行研究からはこうした予想に反して、災害は、人々の政治参加をむしろ促進する(以降、「向社会化仮説」と呼ぶ)という計量分析の結果が、多数を占めている。本課題は、まず、これが先行研究の分析対象が、肉体的・精神的に強靭な者が多く含まれることなどによる標本の偏りが原因であることを示す。そのうえで、日本本土空襲の影響を最先端の機械学習とインターネット世論調査技術を駆使して分析し、向社会化仮説の再検証を行う。
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研究成果の概要 |
この研究では、ネットで様々な地域の人同士の双方向型の経済実験を行い、同じ地域の人々が対戦した場合、居住年数の長い人々の間では空襲被害の程度に関わらず相手への譲渡額に差がない一方、居住年数の短い人々では、空襲被害の多い地域ほど譲渡額が少ないことが明らかになった。これは、空襲被害が多い地域では人間関係資本の形成が困難であることを示唆している。また、被災前に強固な人間関係資本が存在していた地域では、その損失が戦争による向社会化効果を上回る可能性があることが示された。この研究は、過去の戦争が現在の社会的選好にどのような影響を与えるかを、新たなインターネット実験を通じて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、戦争や災害が地域社会に与える影響を詳細に調査し、その結果を社会全体に広めることを目指した。具体的には、空襲被害が多い地域では、地域の絆や信頼関係の形成が困難であることを明らかにした。また、被災前に強固な人間関係が存在していた地域では、その損失が戦争による社会参加促進効果を上回る可能性があることを示した。これらの知見は、災害復興や地域コミュニティの再建に役立つ可能性がある。さらに、この研究は、インターネットを用いた新たな実験手法を開発し、その有効性を示すことで、新たな研究方法を提供した。
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