研究課題/領域番号 |
20K01646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
高内 一宏 関西大学, 商学部, 教授 (00609696)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | イノベーション / 国際貿易 / 上流部門 / 垂直構造 / 輸送費用 / 生産の垂直構造 / 新製品導入・開発 / プロダクト・イノベーション / 価格競争 / プロセス・イノベーション / 川上の投資 / 戦略的補完 / 需要創出型の投資・宣伝活動 / 技術選択 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、主に(1)「イノベーション(研究開発)と貿易費用の関係」、および、(2)「イノベーションに対して輸送価格等の貿易費用が与える影響」を理論的に解明して、従来の議論を発展させることを目的とする。貿易とイノベーションの間の新たな相互関係を考察することによって、イノベーション促進のために望ましい政策や、イノベーションの促進が国民の暮らし向きにとって望ましいとは限らない状況を特定することが可能になる。
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研究成果の概要 |
国際貿易とイノベーションに関する経済理論分析を行い、結果を得た。2国間で国際貿易が行われる状況に価格競争的な輸送産業を導入することで、輸送市場での競争の激しさが、企業の研究開発投資や各国の厚生水準に与える影響を検討した。輸送産業を組み込んだ研究では、輸送企業数が増加して輸送産業が競争的になると、輸出企業の研究開発投資が阻害される場合があることを明らかにした。同様に、競争促進による輸送価格の低下が消費者厚生を悪化させうることも明らかにした。また、発展的な話題として、上流・下流の両市場での価格競争についても分析を行い、生産効率の改善が企業利潤を低下させうることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際貿易とイノベーション(研究開発)の研究では、輸送費用は一定である場合が多く、輸送産業やそこでの競争の役割は見落とされがちである。ところが、実際の貿易では、船会社が運賃を決め、そうした輸送料金は貿易障壁の一角をなしている。そのため、現実との隔たりを埋めるために、価格競争が行われる輸送産業を導入した2国の寡占貿易モデルを新たに構築した。これは学術的な(理論的な)貢献であるといえる。また、輸送市場での競争促進が消費者厚生を損なう条件を明らかにしたことは、競争政策の議論に新たな知見を与えており、実際の政策運営に示唆を与えたという点で社会的な意義がある。
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