研究課題/領域番号 |
20K01730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
玉田 康成 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (30265938)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 組織内の仲裁者 / 組織内の権限配分 / 情報獲得投資 / 政策間の調整 / ロビイスト / 組織内競争 / 選好の多様性 / 決定権限 / 仲裁者 / 仲介者 / 調整者 / 政府組織 / 権限配分 / 契約理論 / 政策監調整 / 利益団体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では複数の政策を立案・遂行する政府組織の権限配分について分析する.1人の政治家と各政策に責任を持つ複数の官僚からなる政府組織を想定すると,政治家は網羅的だが粗い情報をもつが,官僚は各政策のみについて正確な情報をもつ.「個別の問題に対し適切な政策を選ぶことと,政策間の調整をおこなうこと」のトレードオフを考えたときに,政治家と官僚のどちらが権限を保有するべきかが重要な問いとなる.とくに政策間の調整という従来には新たな視点を導入し,政治家に対する利益団体の影響や,選挙への考慮,官僚の地位保全活動など,現実で観察される政策決定のあり方について説明力が高い理論モデルを構築することを目的とする.
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研究成果の概要 |
(1)エージェント間の組織内競争において,仲裁者に決定権限を与えることのメリットを明らかにした。仲裁者が存在すればプロジェクトの選択においてエージェントは互いに譲歩し,それは保険として機能し,エージェントに高いインセンティブが与えられる。(2)複数業務の実行権限を異なるエージェントに与えることとプリンシパルに集中させることを比較した。とくに政府組織を想定し、ロビイストの情報伝達とインフルエンス活動が政策決定に与える効果を考えた。(3)複数のエージェントは情報獲得をおこなうが,それが好ましくないこともあればインセンティブを弱める。仲裁者が存在すればインセンティブを制御できることを分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
政府や企業といった組織には多くの個人が参加しており、組織の性能を高めるためには構成する個人の利害を調整し,組織の目的に沿わせる必要がある。ひとつの重要な論点として,組織内の複数の個人の目的やの調整があり,そして政治家や経営者に求められる役割のひとつとして仲裁がある。本研究では仲裁者としての政治家や経営者が組織の個人のインセンティブに意思決定の調整に与える影響を分析し、さらには政府組織において,政治家を通じたロビイストの影響も分析した。本研究を通じて政治家や経営者の役割が明確となり,実現すべき組織のデザインについても知見を得た。またロビイストが果たすプラスの役割も明らかにした。
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