研究課題/領域番号 |
20K01766
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鈴木 雅貴 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (30625984)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 曖昧性 / 資産価格 / 一般均衡 / リスクプレミアム / ヴァリアンスプレミアム / 資産価格理論 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のファイナンス研究において、確率分布の不確実性(曖昧性)の重要性が認識されてきている。そこで、本研究では滑らかな曖昧性選好を考慮に入れた資産価格モデルの構築を目的とする。これにより、ファイナンス研究の重要課題である様々な資産価格パズルの解決が期待される。 本研究の強みは、伝統的な期待効用理論の枠組みで、モデルに曖昧性選好を導入できる点にある。この特性により、本研究の分析手法は幅広いファイナンス研究に応用することが可能である。また、本研究により様々な資産価格と曖昧性との関係が解明されれば、ポートフォリオ選択理論やマクロ経済政策などの研究分野にも新たな展開が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、曖昧性に対する家計の選好を考慮に入れた、一般均衡資産価格モデルの構築であった。本研究では、経済学およびファイナンス分野で近年特に注目されている「滑らかな曖昧性選好」を、連続時間モデルの下で表現することに成功した。また、これを応用した資産価格モデルは、株式プレミアムパズル、株式ボラティリティプレミアムパズル、および安全利子率パズルを同時に解決可能であることが示された。 これらの結果を取りまとめた2本の論文は、査読付き国際ジャーナルへ掲載されている(そのうち1本は現時点で掲載予定である)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は滑らかな曖昧性選好を連続時間モデルへ拡張した初の研究である。また本研究の手法では、曖昧性選好を効用関数の形状ではなく、確率分布の歪みによって表現することができる。これは、伝統的な期待効用理論の枠組みを維持したまま、モデルに曖昧性選好を導入できることを意味しており、幅広い経済学・ファイナンス分野の理論・実証研究への応用可能性を秘めている。 本研究により、資産価格と曖昧性との関係が明らかになった。これにより、家計のポートフォリオ選択や政府・中央銀行によるマクロ経済政策に対して現実的な示唆が与えられる。
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