研究課題/領域番号 |
20K01768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
菊池 健太郎 滋賀大学, 経済学系, 准教授 (60738368)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | グローバルファクター / 無裁定価格理論 / 国際連動性 / リスクプレミアム / 2次ガウシアン金利期間構造モデル / 国際証券価格モデル / 国際証券投資 |
研究開始時の研究の概要 |
国内外の債券価格・株価、為替レートを同時に評価する資産価格モデルに基づく推定を先進国の市場データを用いて行い、金融資産価格に影響を与えるグローバルファクターや国固有のファクターを抽出する。抽出したこれらのファクターとマクロ経済変数の関係、さらに当該ファクターと金融資産のリスクプレミアムの関係を分析することによって、金融資産の価格変動に伴うリスクの特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年度末までに、グローバル変数とローカル変数を状態変数に持つ、債券価格・株価・為替レートの無裁定同時価格モデルを構築し、日米の金利・株価・為替レートの時系列データを用いたモデルの推定を完了した。 2022年度は、Menkhoff et al.(2017)およびDahlquist and Penasse (2022)の分析結果を参考に、本研究における分析を進めた。Menkhoffらの研究は、実質為替レートが名目為替レートの超過リターンに対して予測力を有することを明らかにしている。DahlquistとPenasseの研究は、為替リスクプレミアムに変動をもたらすMissing Risk Premiumが、実質為替レートの変動の多くを説明できることを示している。これらの結果から、為替リスクプレミアムが、名目為替レートの超過リターンに対して予測力を有する可能性が示唆される。そこで、本研究では、為替リスクプレミアムの推定値が、ドル円為替レートの比較的長期(1年~5年)の超過リターンの実現値に対して予測力を有しているかどうかを検証した。また、為替リスクプレミアムのグローバルファクターに対する寄与度とローカルファクターに対する寄与度のそれぞれが、名目為替レートの超過リターンに対する予測力を有するかどうかも検証した。 本研究で構築したモデルは、国際的な証券投資におけるポートフォリオ最適化にも役立つ。2022年度には、米国の一国市場モデルを推定し、ナイトの不確実性に直面した長期運用を行う投資家の最適消費・ポートフォリオ問題について研究を進め、効率的な求解のための新たな解析近似法を提案し、結果をディスカッションペーパーにまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、年度当初には想定していなかった学内校務に時間を割かざるを得ない状況になり、その影響で分析結果を論文にまとめたり学会で研究結果を発表する時間を取ることができなかった。 しかしながら、為替リスクプレミアムと名目為替レートの超過リターンの関係についての分析が進んだことや、ポートフォリオ最適化問題における効率的な近似計算法を提案できたことなど、一定の成果をあげることができた。 以上の点を総合して、現在までの研究の進捗はやや遅れていると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
研究における理論部分の成果と実証分析の結果を整理し、論文にまとめて国際論文誌に投稿する。また、提案モデルの有用性・応用範囲の広さを知ってもらうため、学会で研究成果を発表する。さらに、日米金融市場を対象とする無裁定国際証券価格モデルの推定結果を国際証券投資モデルに組み込み、投資家の最適な資産配分を明らかにするための分析を行う。得られた成果を国際論文誌に投稿する。
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