研究課題/領域番号 |
20K01784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
井田 大輔 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (50609906)
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研究分担者 |
岡野 光洋 大阪学院大学, 経済学部, 准教授 (20635065)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 開放経済ニューケインジアンモデル / 最適金融政策 / 国際政策協調 / 名目賃金の硬直性 / 二国ニューケインジアンモデル / ゼロ金利政策 / 金融政策ルール / 中央銀行 / 公約解 / 裁量解 / ニューケインジアン理論 / 開放経済モデル / ゼロ金利制約 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、他国において、失業率の変動に対して実行する金融政策は自国の金融政策にも影響するとの現実的な背景にもとづく。実際、中央銀行は物価の安定以外にも失業率の変動などにも政策対応する。それらは為替レートの変化を通じて他国に波及し、他国も実体経済の安定化に迫られる。近年の先進国間の金融緩和競争はこの問題をより複雑にしている。本研究の目的は、「ゼロ金利制約と名目賃金の下方硬直性の共存の下、理論的に先進国は金融政策協調を行うべきかを考え、現実の金融政策への政策含意を導くこと」である。
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研究成果の概要 |
本研究では、二国開放経済ニューケインジアン理論において、名目賃金の硬直性の役割を最適金融政策の観点から分析した。国際政策協調の枠組みにおいて、最適な金融政策は、自国と外国の名目賃金の異質性の程度に大きく依存することがわかった。本研究はInternational Finance誌に採択された。その他、名目賃金の硬直性の役割のみならず、モデル不確実性を考慮した場合の頑健な金融政策ルールについても開放経済モデルの観点から分析した。現在はこの基礎研究を拡張しており、国際的な名目賃金の異質性の存在が国際政策協調からのゲインに影響を及ぼすかを検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
名目賃金の硬直性の程度が各国で異なることはデータで観察されている。しかし、名目賃金のそのような国際的な異質性がどのようにマクロ金融政策に影響するかについては十分に議論されていなかった。近年、各国中央銀行は、国際協調の枠組みにおいて、最適な金融政策を模索していると考えられる。そのため、国際的な政策協調下において、名目賃金の国際的な異質性が各国の金融政策運営にどのように影響するかを調べることは、学術的な観点に加えて、社会的にも大きな意義がある。近年、国際金融政策をめぐる情勢は不透明さを増しており、本研究は国際的な金融政策協調の問題を各国中央銀行がどのように模索すべきかを考える一助となるであろう。
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