研究課題/領域番号 |
20K01926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
中道 一心 同志社大学, 商学部, 教授 (60512001)
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研究分担者 |
田中 彰 京都大学, 経済学研究科, 教授 (00275116)
川端 望 東北大学, 経済学研究科, 教授 (20244650)
加藤 康 京都経済短期大学, 経営情報学科, 教授 (50352935)
河村 徳士 城西大学, 経済学部, 准教授 (80726191)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 専任教授 (90366899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | サプライチェーン / タイミング・コントローラー / タイミング・コントロール機能 / 規模の経済性 / JIT / ジャストインタイム / 鉄鋼業 / 板ガラス製造業 / 競争優位 / 規模の経済 / JIT生産 |
研究開始時の研究の概要 |
素材供給企業は多様な種類の製品を大量生産システムにのせて生産する際、生産と販売のインターフェイスにタイミング・コントローラー(TC)を介在させることでも市場適応力を高めている。TCの起用によって素材供給企業は規模の経済を実現し、一方の需要企業もJIT生産を実現しており、個別最適と全体最適を同時追及できている。本研究は、①サプライチェーン全体の最適化するためにどのようにTCを活用すれば競争優位に結びつくか、②国内の現代的課題が深刻化しても持続可能な仕組みか、③TCの存在は海外市場のサプライチェーンにおいても必要なのか、④サプライチェーンの最適化に向けた理論構築を目指すものである。
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研究実績の概要 |
2021年度にタイミング・コントローラーが成立し得る条件について、アルフレッド・D.チャンドラーのThe Visible Hand(邦題『経営者の時代』)と、これに対するオリバー・E.ウィリアムソンの書評論文にさかのぼって検討した。その成果として事業所としてのタイミング・コントローラーと、独立した企業としてのタイミング・コントローラーを区別する観点を示すことができた。端的には、①タイミング・コントロール機能を有する事業所が素材生産企業の工場や完成品企業の工場と連携し、円滑な残の供給を行う仕組みを持っていることと、②タイミング・コントロール機能を有する独立した企業(タイミング・コントローラー)が素材生産企業や完成品企業との力関係の下で契約を結び、産業組織のなかで利潤の確保と成長を目指していることは、区別したうえでどちらも研究しなければならないことを明示した。 この研究成果を前提に、2022年度は鉄鋼企業を起点とするスパイラル鋼管の建設企業へのサプライチェーンにおいて、タイミング・コントローラーとして独立した企業が生成するのではなく、鉄鋼企業の子会社としてスパイラル鋼管製造企業がタイミング・コントロール機能を担っていることを明らかにした。この事例により、タイミング・コントローラーの生成要因の解明が一歩前進したといえる。 さらに、2022年度は板ガラス企業を起点とする建設用板ガラスの建設企業へのサプライチェーンにおいて、タイミング・コントロール機能の担い手が変化してきた要因について、調査研究を行った。特約店・販売店がタイミング・コントローラーとして流量と流速の調整を行っていたが、次第に板ガラス企業の各地の加工拠点(カッティング・センター/ガラスセンター)がその一部を担うようになり、現在では板ガラス企業の加工子会社がほとんどを担当していることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の再拡大により、2022年度に計画していた海外のフィールドリサーチが実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症が収束しており、各国政府や協力企業の対応も整備されてきたため、2023年度にフィールドリサーチを実施する。
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