研究課題/領域番号 |
20K01959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
近藤 公彦 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (10205552)
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研究分担者 |
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 教授 (10410383)
太宰 潮 福岡大学, 商学部, 教授 (60526391)
中見 真也 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (30794797)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | デジタル・トランスフォーメーション / ビジネスモデル / イノベーション / 小売 / 小売ビジネスモデル / ダイナミック・ケイパビリティ / オムニチャネル / デジタル革新 / 小売業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、デジタル変革期における小売ビジネスモデル革新について、オムニチャネルに焦点を当てながら、その構造と成果を明らかにすることを目的とするものである。本研究では、デジタル変革研究、オムニチャネル研究、ビジネスモデル研究、ならびに消費者行動研究の理論的考察に加え、デジタル変革を推進する日本の代表的小売企業を対象に複数事例を分析するとともに、合わせて質問紙調査による定量データの収集と実証分析を行う。この一連の研究プロセスを通じて、デジタル変革期における小売ビジネスモデル革新の論理を解明し、上記4つの研究領域に理論的・実証的な貢献を図る。
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研究実績の概要 |
今年度は、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DXという)が小売ビジネスモデルに与える影響をイノベーションに焦点を当てながら理論的に考察した。 まず、DXが流通における小売ビジネスモデルのイノベーションとどのように関連しているかをDXとビジネスモデル・イノベーションそれぞれの有無から類型化した。DXを必要とせず、ビジネスモデルのイノベーションもない初期段階には、伝統的な店舗小売業(業種店)や無店舗小売業が含まれる。この初期段階から、デジタル化は条件としないが、ビジネスモデル変革が必要となるのは、多店舗小売業(チェーン店)および多業態小売業への展開(移行)である。一方、POSシステム、キャッシュレス決済、セルフレジ等の導入は、デジタル化を伴うものの、ビジネスモデルのイノベーションにまでは至らない。そしてDXとビジネスモデル・イノベーションの双方を条件とするのが、プラットフォーム型小売業、オムニチャネル、ネオリテールである。 さらに、こうしたDXと小売ビジネスモデルのイノベーションとの関連に基づいて、小売ビジネスモデルを構成する8つの関係ブロックを明らかにした。それらはカスタマーリレーションシップ、カスタマーバリュー、業務プロセス/オペレーション、ガバナンス、収益フォーミュラ、デジタル・エコシステム、ダイナミック・ケイパビリティ、競争優位である。 こうした理論的考察から明らかになった点は、DXはCXI(顧客体験のイノベーション)とBPI(業務プロセスのイノベーション)の相互作用からなること、そしてこの相互作用には企業自体の変革が伴っていなければならない、ということである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、デジタル・トランスフォーメーションが小売ビジネスモデルにどのような影響を及ぼすかを理論的・実証的に明らかにすることにあった。 このうち、小売におけるデジタル・トランスフォーメーションならびに小売ビジネスモデルに関する理論的考察とそれに基づく分析フレームワークの構築までは達成することができた。しかしながら、その実証分析の方法ならびにアンケート調査対象へのアプローチに多くの時間とリソースを要したため、翌年度に研究期間を延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進の方策は、デジタル・トランスフォーメーションが小売ビジネスモデルに及ぼす影響に関して、アンケート調査を通じて実証的に明らかにすることである。この際、研究代表者ならびに研究協力者が所属する日本マーケティング学会リサーチプロジェクト・オムニチャネル研究会と連携している(一社)日本オムニチャネル協会と綿密に連携しながら、アンケート調査の対象となる企業の十分なサンプル数を確保することに取り組む。
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