研究課題/領域番号 |
20K01981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
向山 雅夫 流通科学大学, 商学部, 教授 (00182072)
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研究分担者 |
白 貞壬 流通科学大学, 商学部, 教授 (60400074)
趙 命来 香川大学, 経済学部, 教授 (60582228)
渡邉 孝一郎 香川大学, 経済学部, 准教授 (60616671)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中小小売商 / 中小小売商の競争優位 / 中小商人 / 小売技能 / 小売技術 / 中小小売商の村立基盤 / まちの本屋の小売技能 / 中小小売商の存立基盤 / ベンチャー商人 / 属人的一般技能 / 属人的特殊技能 / 移転可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
「ものづくり」の強さの源泉としてしばしば注目されるのが製造現場(大企業の生産ラインであれ、中小企業の町工場であれ)に蓄積された技能である。それに対し、珍しく競争力を発揮している中小小売商が持つ職人的能力をどう見ていくか。単に商品を右から左に流して利ザヤを取るだけの存在ではなく、そのセンスを生かし本来生産性という面で優位にある大規模小売業と互角以上の成果を打ち出している商人の実態に焦点を当て、調査・分析を行う。 小売商人が持つべきプロ職人としての能力、いわば「小売技能」を明らかにすることは、現実的にも後継者問題等の多くの課題を抱える中小小売商の支援策への手がかりにもつながると思われる。
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研究成果の概要 |
本研究は、中小小売商の競争優位性として小売商人の持つ職人的な能力を探求した。研究成果は次の3点にまとめられる。第1に、大手メガネチェーン店と独立眼鏡店の比較事例分析から「小売技能」の概念を導出し、これが中小小売商の競争優位性となることを示した。第2に、酒屋、家具屋、本屋などの多様な事例研究を通じて、業種の壁を越える一般技能と業種特殊技能のそれぞれにどのような小売技能が存在するのかを明らかにした。第3に、小売技能が小規模小売店の業績に与える影響メカニズムを解明し、中小小売商の持続可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
商業論の既存研究では、商人が商業を遂行するためには固有の能力が必要とされながらも、多くの研究は商人を単なる商品を仕入れて再販売する媒介者と捉え、経済的な効率性という側面に焦点を当ててきた。本研究は、この理論的なギャップを埋めるためのものであり、中小小売商人の職人的な能力としての「小売技能」を探求し、商人の能動的かつ創造的な商人像を浮き彫りにした点で学術的意義がある。また、単に商品を右から左に流して利ザヤを取るだけの存在ではなく、中小商人の持つ職人的な能力を活かし、顧客に価格以上の価値を提供する可能性を示すことで、小売商人の地位や存在意義を再評価した点で社会的意義がある。
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