研究課題/領域番号 |
20K02019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
藤野 雅史 日本大学, 経済学部, 教授 (60361862)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 管理会計担当者 / 管理会計システムの開発 / 人材育成 / 事例研究 / アクションリサーチ / 会計専門家 / 業績指標 / 経営支援 / 定性的研究 / フィールド調査 / 役割 / 経験 / ジョブローテーション |
研究開始時の研究の概要 |
企業の管理会計担当者には,不正防止の監視役となること,事業の支援者となることという対立的な2つの要請に応える役割が求められている。こうした役割を果たすには,水平的に他部門へ異動するジョブローテーションをキャリアの早い段階に組み込むのがよいとされてきた。本研究では,ジョブローテーションを行った管理会計担当者がどのような経験をつうじて対立的な要請に応えるためのスキルを身につけるのかを探索する。有効な経験の一つとして,管理会計システムの導入経験に着目する。研究者も管理会計システムの導入に参加する参与観察を活用した事例研究をつうじて,若手の管理会計担当者が経験を積む詳細なプロセスを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、飲食業A社をリサーチサイトとして管理会計担当者のスキル構築を考察するプロジェクトと、社外の会計専門家による現場経験を会計知識への変換を考察するプロジェクトを遂行した。 A社のプロジェクトでは、業績指標の開発プロセスへの関与経験をつうじて、若手の会計担当者は、管理会計担当者に求められるスキルを身につけていったことがわかった。 会計専門家のプロジェクトでは、会計専門家らが経営支援から得た現場知識をもとに開発したツール(BSCやSWOT分析といった管理会計システムの組み合わせ)によって、経営者や管理者、従業員から経営目標や経営課題、行動計画を聞き出すアプローチをとっていたことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
管理会計担当者の役割に関する国際的な研究成果を踏まえて、日本でも管理会計担当者に求められる役割に目を向けなければならない。社内での管理会計担当者の育成を重視してきた日本企業の実務には、このグローバルな研究課題に固有の貢献を引き出せる研究機会が潜んでいると考えられる。 本研究では、実務から新しい知見を得るためのアプローチの一つとして,介入型アクションリサーチを検討した。このアプローチは、フィールドでの課題に取り組むemic な視点と、理論的な貢献につなげるetic な視点を行ったり来たりするのが特徴である。研究者には,柔軟な思考と建設的な姿勢をもってフィールドを立ち回ることが求められる。
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