研究課題/領域番号 |
20K02079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岸田 未来 立命館大学, 経営学部, 教授 (60342424)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | スウェーデン / 賃金交渉 / 労使関係 / 労働組合 / 経営者団体 / ホワイトカラー / 労働協約 / 賃金政策 / 賃金形成 / 数値なし協約 / 労使交渉 / SAF / ユニオネン / SIF / 労使 / 賃金制度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2000年代以降のスウェーデンにおける賃金制度の変化を、労使の賃金政策における合意形成に着目し、かつ労使関係の階層性と分野ごとの特徴を考慮して明らかにする。そのため第一に、労使関係を頂上組織および各産業別組織、職場レベルに区分し、アーカイブス資料とインタビュー調査を用いて、労使交渉時における賃金政策をめぐる意思決定過程を分析する。第二に、明らかとなった労使関係の合意内容が、実際の賃金制度にいかに反映され、運用されているかを検証する。
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研究成果の概要 |
本研究の成果は、①マクロな集団的労使関係のレベルにおける、スウェーデンの労使諸団体(SAFおよびUnionen)それぞれの賃金政策内容と、賃金交渉の歴史的変化、②ミクロの企業レベル(エネルギー会社E.ONおよび自動車会社Nordiska GM)における、職場の賃金交渉と個人別賃金設定の実態とその変化を明らかにしたことである。これら研究成果により、現在も集団的労使交渉の枠組みが維持されているスウェーデンでは、集団的な労使交渉では、個人別賃金交渉では不利となりうる従業員の権利保護を確保しつつ、職場の実態に応じた、個々の賃金設定のフレキシビリティを可能としていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、近年では集団的労使関係の役割に関する研究がとりわけ日本において衰退している中で、企業レベルの労使関係と集団的なマクロレベルの労使関係が、それぞれに重要な役割を果たしているケースとして、スウェーデンの賃金交渉の実態を明らかにしたことにある。今後は、スウェーデンと日本の比較労使関係研究に展開させる基礎を得ることができたと考える。 また本研究の社会的意義は、今日、世界的な物価上昇の中で労使間の賃金交渉の役割や重要性に注目が集まっており、本研究の成果が特に日本において、国民の生活を防衛するアクターとしての労働組合の存在を改めて考えるための一助になるであろう点である。
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