研究課題/領域番号 |
20K02119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
川端 浩平 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80563965)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 差別と排除 / 在日コリアン / ポストアイデンティティ政治 / ラップ音楽 / キリスト教 / 差別・排除 / エスニシティ / ジェンダー / 交差性 / 差別 / アイデンティティ / 文化表現 / レイシズム / 排外主義 |
研究開始時の研究の概要 |
1970年代に神奈川県川崎市桜本地区に集住していた在日コリアンたちがアイデンティティ政治を展開した場所が、1980年代以降のニューカマー転入とともに多文化化し、多様なルーツを持った子どもたちの教育的実践の場となっているとともに、ラップ音楽などの文化を通じた政治やアイデンティティを形成する拠点となっていることを明らかにしていく。具体的には、参与観察と聞き取り調査を通じて川崎市ふれあい館を中心としたコミュニティを拠点として活動する在日コリアンや多様なルーツを持つラップ音楽家を中心とした地域のネットワークを検証し、排外主義に抗するような文化表現とアイデンティティ形成の展開を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、1970年代に在日コリアンのアイデンティティ政治の拠点となった在日大韓基督教川崎教会を中心とした社会運動の成果がその後の世代によっていかに継承されているのかを明らかにした。具体的には、1990年代後半に川崎教会に集った若者たちとヒップホップ文化を通じた反差別の実践を明らかにした。在日コリアン2.5世のラッパーである郭正勲(FUNI)を中心として在日コリアン、ニューカマーの第二世代、日本人の若者たちは、ラップ音楽のワークショップや様々なイベントを通じて反差別のメッセージを発信している状況が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が取り組んだ、排外主義の時代を生きる在日コリアンを中心とした多様なルーツを持つ当事者たちが、ヒップホップやポピュラー文化と自らを取り巻く差別、貧困、環境問題などをめぐる問題と結びつけながら、いかに対抗的なポスト・アイデンティティ政治を展開しているのかについて質的研究によって明らかにした。この事例研究は、私たちの日常的な営みやそこから生まれる文化を用いることにより、排外主義的な風潮やコミュニケーション様式が広がる現代日本社会における諸問題を克服するための反人種差別の実践の方法や可能性を模索したものである。
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