研究課題/領域番号 |
20K02123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
川田 耕 京都先端科学大学, 経済経営学部, 教授 (50298676)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 愛情 / 民間説話 / 共同性 / 近世社会 / 近代性 / 愛情の歴史 / 歴史社会学 / 文化社会学 / 文化伝播 / 玄宗楊貴妃譚 / 捨て姫 / 浄瑠璃 / 近世中国 / 近世日本 / 民間伝承 / 集権化 / 女神信仰 / 七夕 / 親愛の文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、他者を慈しみ育もうとする欲望であるところの愛情が、中国と日本においてどのように表現され経験されてきたのかを明らかにすべく、近世中国における女神信仰にかかわる芸能・民間伝承ならびに異性愛的な愛情の伝承と、それらに対応する近世の日本における種々の芸能・伝承などの個別の分析を行う。さらに、本研究は、それらの分析を、研究実施者がこれまで取り組んできた中国ならびに日本における愛情をめぐる社会学的・精神史的な研究と総合し、両地域の長い歴史における社会的な諸変動のなかでの愛情の経験の複雑な歴史を重層的に示し、そのことによって愛情という欲望の普遍的な姿を浮かび上がらせようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、中国と日本における愛情をめぐる歴史を、主に両地域の近世前後の民間説話の分析を通して示した。とくに、①近世中国における女神の全能性と母権的世界への期待の高まり、②中国における異性愛的な情愛の価値の発見とその定着の長い過程、③近世中国(とくに明末以降)における母子関係の意義の発見、④近世・近代の日本における子どもたちへの愛情の深化の4つを、それぞれの時期の社会的背景と文化的文脈にそくして、明らかにした。それらを通して、東アジアのおける愛情の比較社会学的な理解について一定の貢献をすることができたと思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
他者を慈しみ育もうとする欲望であるところの愛情は、家族だけではなく諸共同体・社会の生成・発展の最も基盤的な役割を果たすものでありながら、その歴史的研究も社会学的研究も乏しい。そうしたなか、本研究はそれの東アジアのおける文化的表現の継承と発展、ならびに実態の理解にたいして、一定の独自の貢献をなしえたと考えている。とくに、民間説話をはじめとする一次資料に基づいてその細部を分析するとともに、欧州の愛情の歴史との比較も行うことで、東アジアにおける愛情の歴史の独自性と普遍性についての理解に道筋をつけることができたと思われる。
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