研究課題/領域番号 |
20K02281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
大谷 京子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (90434612)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 精神障害 / 啓発プログラム / 効果測定 / スティグマ態度 / 社会的距離 / 精神保健 / スティグマ / 啓発実践プログラム / 参加型アクションリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
精神障害者数は年々増加し、国民に広くかかわる疾患だが、その認知度は低い。知らないことが偏見を助長し、精神障害者が生きづらい状況が続いている。多様性を受容する意識を醸成するプログラムが必要である。 そこで、A地域自立支援協議会精神障害者地域生活支援部会啓発チームとの協働により、精神障害に関する啓発プログラム開発、効果測定の指標開発、効果的プログラムの普及を目指す。特に、共生社会の実現を志向する意識の涵養を目的としたプログラムを中心に構成する。実践の効果測定指標も開発する。 さらに、プログラムの普及のため、文書や動画を通して発信する。それと合わせて、詳細な実践マニュアルも作成する。
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研究実績の概要 |
2022年度も、COVID-19下にあって、先進事例の参与観察はできなかったが、日本における啓発に関する研究の第一人者である山口創生先生を招いて、講演会を開催することができた。そこから、A啓発チームのプログラムに援用できる示唆を得た。 また啓発プログラム実践は、高校・大学で実施できた。その効果測定については、4年間の測定ができた。同じプログラムによる実践をしており、これまでの3回は精神障害者へのスティグマ態度は軽減させ、社会的距離を縮めることもできており、意識の変化を促進する効果を得られるプログラムであることは検証できていた。しかし2022年度実践では、すべての項目で数値が悪化し、恥意識については有意に悪化していた。 今回もこれまで同様の枠組みで行ったが、啓発チームメンバーの一人が性的表現を使って他者と比較して生きることの問題について語った。詳細な分析は終了していないが、高校生にとっては、「授業」であるという前提枠組みが崩されることへの抵抗、性的表現に対する戸惑いなどが先に立ち、プログラム全体を通してのメッセージが届かなくなってしまったと考えている。今回の実践は結果としては失敗したと言えるが、具体的なプログラム内容を精査して、高校生を対象にした効果的プログラムに改良するためのデータが得られたといえる。 これまでの実践については、振り返りを含めて、Aチームメンバー全員で進めている。精神障害当事者、家族、専門職すべてが対等な立場で参加する、参加型アクションリサーチとして研究が展開できている。ただ、感染症拡大のために計画とは異なる進行プロセスになっているため、初年度予定だったインタビューを早急に実施することが課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大により、啓発活動が制限され、先進事例の参与観察はできていない。そのため、アンチスティグマ活動に造詣の深い研究者の講演に切り替えて、知見の蓄積をした。 また、個別のインタビューについても、感染予防のために実施できていない。 しかし高校生への啓発実践は継続できており、課題も抽出できてきた。毎回の評価も行い、一定の結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度になるため、当初予定していたチームメンバーへのインタビューを実施する。そこから抽出した内容を精査して、啓発プログラムの改良点を明らかにする。 今年度の実践で明らかになった課題と、インタビューから抽出された必須内容を加味してプログラムを再構築し、実践する。これまでに使用してきた、社会的距離尺度とスティグマ態度尺度に、インタビューから抽出された要素を測定する項目も加えて、評価する。 これまでの実践録画を編集して、成果物を作成する。
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