研究課題/領域番号 |
20K02328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
森田 洋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (30321524)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 分岐型脂肪酸類 / 室内環境 / 室内塵性ダニ / 室内汚染カビ / 皮ふ常在菌 / 防除効果 / 微生物制御 / 分岐型脂肪酸 / 2-ブチルオクタン酸 / 室内カビ |
研究開始時の研究の概要 |
近年の住環境の高気密・高断熱化により、室内環境ではダニやカビの温床になりやすいことが大きな課題となっている。本研究では防ダニ・防カビ剤として求められる機能である「効果」、「持続性」、「安全性」の高さに配慮した新規防ダニ・防カビ剤について、実用性の高さが期待できる分岐型脂肪酸類に着目をして、効果の検証とその防除機構の解明を行うことにより、防除効果の高い分岐構造の探索と畳表をはじめとする室内環境に利用可能なものづくりへの実証的な検討を行う。室内環境におけるダニ・カビの繁殖はヒトへの健康被害が大きく懸念されていることから、本研究は大きな社会的意義を有するものと考えている。
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研究成果の概要 |
分岐型脂肪酸類に焦点をあてて、室内衛生環境の改善という観点から、微生物や害虫に対して高い防除効果を有するものを見いだした。室内塵性ダニでは炭素数12の脂肪酸が最も高く、脂肪酸塩では効果が低い傾向にあった。室内汚染カビに対しては炭素数が7~8の脂肪酸で効果が高く、脂肪酸塩では炭素数が12や16のもので効果が高かった。室内干しによる悪臭の原因細菌に対しては炭素数16の脂肪酸塩で効果が高かった。作用機序はダニでは呼吸系を標的とすることが示唆され、カビでは菌糸の成長阻害、細菌では細胞膜の破壊等が認められた。更に効果の高かった脂肪酸類を用い、畳への防ダニ機能付与や除菌洗濯洗剤への利用可能性を見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最も大きな成果は、様々な構造を持つ分岐型脂肪酸類を対象に代表的な室内塵性ダニや室内汚染カビ、室内干しの悪臭に関与する細菌類などに対する防除効果が網羅的に検討され、更にそれらがいかにして防除効果をもたらしているのか、形態観察等によって、その変化を捉えることによりマクロな視点からその作用機構を明らかにできたことにある。また効果の高かった脂肪酸類においては、畳への防ダニ機能の付与や除菌洗濯洗剤の関与成分としての応用例を見いだし、室内衛生環境の改善という観点から、学術的・実用的にも大きな進展をもたらすものであった。
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