研究課題/領域番号 |
20K02329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
友寄 博子 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (10347700)
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研究分担者 |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 教授 (80295138)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン / 機能性食品 / 海藻 / 海苔 / のり / 血糖降下作用 / 動物 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリンは、唯一体内で血糖値を下げるホルモンとして糖尿病治療に使われているが、経口摂取可能な製剤は実用化されていない。申請者は、先の研究で海苔から経口摂取可能なインスリン様作用画分を抽出したが、食品や臨床へ応用するためには作用物質の同定、効果、作用機序、作用量を明らかにすること、工業的に生産可能な抽出法の確立を行う必要がある。本研究では、先に示した研究を進めて、糖尿病患者の負担軽減に加えて、漁業者の海苔の生産を助けて、海苔を食する和食文化を守りたいと考えている。
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研究成果の概要 |
我々はのり低分子画分の糖負荷試験での血糖降下作用ならびに長期摂取での高インスリン血症改善作用についてこれまで明らかにしてきた。作用機序として消化酵素阻害作用はないことを明らかにしていたが、本研究で吸収にも影響を及ぼさないことを明らかにすることができた。さらに、マウス脂肪前駆細胞ではのり低分子画分がインスリンと同程度脂肪を蓄積することを明らかにできたため、細胞での糖の取り込みを促進する可能性が示唆された。また、その作用成分の抽出はこれまで煩雑な前処理と工程であったが、本研究で大幅に改善することができた。今後も引き続き作用機序解明を進めていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海苔の養殖漁業者は生産の不安定さから他へ転換する地域も出始めており、海苔の安定供給が危ぶまれ始めている。我々の研究では品質の低い海苔の方が血糖降下作用を有する成分が多く含まれていることを報告してきている。本研究では成分抽出方法の効率化を進め、実用化に大きく近づくことができた。糖病病は一般的に血糖値とHbA1cにより診断される疾病であるが、進行の前段として高インスリン血症と膵臓の疲弊が挙げられる。のり低分子画分は高インスリン血症を改善する効果を有していることから、今回細胞で糖の取り込みを促進する可能性が明らかできたことはその作用機序解明に近づくことができたと考えている。
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