研究課題/領域番号 |
20K02363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
松本 和浩 静岡大学, 農学部, 教授 (60508703)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 細胞壁成分 / ペクチン / 細胞骨格 / 調理用 / ブラムリー / 新品種 / テクスチャー分析 / ジャム / リンゴ / 細胞壁 / 調理 / 成熟 / テクスチャ― / 加熱 / テクスチャー / 糖質 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究により、リンゴ果肉の熱崩壊性はペクチンの加水分解が主要因であると考えられる。しかし、リンゴ品種間、果実の成熟程度による熱崩壊性の難易の原因は明らかになっていない。そこで、「加熱前後のリンゴの細胞壁組成及び構造、細胞壁(ペクチン)分解酵素活性と熱崩壊性の難易の間にいかなる相関関係がみられるのか?」との問いを立て、果肉熱崩壊性リンゴ品種が備える特有の性質を明らかにし、熱崩壊性メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
‘ブラムリー’をはじめ、加熱崩壊性を有するcooking appleが広く世界で消費されているが、その熱崩壊のメカニズムは不明である。本研究では、生果の果肉硬度が同等の‘ブラムリー’と生食用品種を比較した場合、加熱後の果肉硬度は‘ブラムリー’で著しく低いことを確認した。‘ブラムリー’の加熱に伴う細胞壁組成および分子量分布の変化を見ると、セルロースおよびヘミセルロース含量が著しく減少し、水可溶性ペクチンが著しく増大した。また、Na2CO3可溶性ペクチンの低分子化が見られた。このように、‘ブラムリー’は、細胞壁の骨格部位が可溶化・低分子化することがの熱崩壊性を示す要因であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により‘ブラムリー’が有する果肉の熱崩壊性のメカニズムが解明された。日本をはじめ世界でも消費の中心は生食であるため熱崩壊性に着目した育種は行われてこなかった。しかし、本研究成果により、新たに熱崩壊性を目標にした育種にも道が開かれる。近年の食の多様化や健康ブームの状況を鑑みると、熱崩壊性を有するリンゴ品種が作出されれば、その主要は確実に高まり、減少傾向にあるリンゴの消費量の拡大にもつながる新たな消費が生まれるものと考える。さらに、調理学分野の研究と合わせて、最適な調理の方法も明らかになれば、クッキングアップルの文化が世界中に広がり、豊かで健康な人間生活が営まれるものと考える。
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