研究課題/領域番号 |
20K02402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 青森県立保健大学 (2022-2023) 弘前大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
七島 直樹 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (80333730)
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研究分担者 |
堀江 祐範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30514591)
堀江 香代 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (30626825)
前多 隼人 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80507731)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | カシス / フィトエストロゲン / エストロゲン受容体 / 更年期症状 |
研究開始時の研究の概要 |
植物中に動物性エストロゲン(以下、「植物由来エストロゲン」とする)が存在する報告が散見されるが、その含有量や活性強度、分子構造については未知の部分が多い。そこで、本研究では植物性女性ホルモン効果を有する植物を対象に、植物由来エストロゲンを抽出し、その含有量と活性強度を測定する。また、分子構造解析を行い同定する。さらに、分取した植物由来エストロゲンの生体に対する脂質代謝異常や骨粗鬆症などの更年期症状に対する改善効果を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、カシスに含有される新規のフィトエストロゲンを探索した。これまでの研究により、カシスから新たに、フィトエストロゲン活性を有していると思われる化合物Aを分取している。令和5年度はカシスから分離した新規のフィトエストロゲン(化合物A)について、ヒトエストロゲン受容体(ER)α及びERβのリガンド結合ドメインとの結合の可能性を調べるため、ドッキング解析(In silico)を行った。エストロゲン(E2)を結合したERαの立体構造に対して化合物Aのドッキングを試みたところ、E2を結合したERαおよびERβのコンフォメーションでは、ERαのリガンド結合ポケットには化合物Aの立体構造が収容可能な空間がなく、化合物Aが結合するのは難しいと考えられた。したがって、E2よりもかさ高い複合体の立体構造を使用してドッキング解析を試みるなどの改善策が必要であることが示唆された。 研究期間全体を通して、我々はカシスから微量のエストロゲン類が検出した。検出されたエストロゲン類については、超高速液体クロマトグラフィーにより単一物質のピークの分取、精製を行い、さらに、液体クロマトグラフィー質量分析により、組成式を算出し、構造を推定した。その結果、当初エストロゲンと思われた画分は、エストロゲンではなく、他の有機化合物Aであった。次に、化合物Aについてフィトエストロゲン活性を評価したところ、MCF7での細胞増殖の亢進やエストロゲン受容体下流遺伝子の発現亢進、さらにISHIKAWA細胞でのアルカリホスファターゼの発現亢進が認められた。また、T47D-KBluc細胞を用いたレポーターアッセイ法では、化合物Aを細胞に投与すると、濃度依存的に活性が上昇した。加えて、競合法によるERαとの結合アッセイでは、ERαと結合する結果が得られた。以上より、カシスから単離された化合物Aは新規のフィトエストロゲン活性を有する分子であることが示唆された。
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