研究課題/領域番号 |
20K02416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
長嶋 直子 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (30459599)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 天然色素 / 酵素 / ポリ乳酸繊維 / 染色 / 環境調和型 / 風合い / ラッカーゼ / 染色堅ろう度 / KES / 天然染料 |
研究開始時の研究の概要 |
繊維染色加工は、水、エネルギー、薬剤を大量に使用するため、環境負荷低減が求められている。この問題解決に向けた取り組みとして、繊維・染料・薬剤の循環型資源への代替が挙げられる。 本研究の目的は、①申請者が先行研究(JSPS科研費17K00795)で確立した羊毛に対する天然染料/酵素の系による染色法を、ポリエステル繊維の代替として注目されている天然由来の合成繊維ポリ乳酸繊維に応用する。②実用上十分な染色性、堅ろう性、繊維物性、風合いが得られる染色条件を明らかにし、循環型資源による環境調和型繊維染色加工の構築を目指す。本研究によって、誰もが安心・安全で持続可能な衣生活が期待できる。
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研究実績の概要 |
2021年度に検討したバイカリン/ラッカーゼの発色の系で、最も濃色となった条件で染色したPLA布の表面特性を、KES-FBを使い調べた。その結果、平均摩擦係数MIUは、未処理<ラッカーゼ処理<バイカリン/ラッカーゼ染色の順に若干の増加がみられた。そこで、有意水準5%で両側検定のt検定を行った。その結果、未処理とラッカーゼ処理のp値は0.05以上であったため、未処理とラッカーゼ処理のPLA布のMIUの平均値には有意差がなかった。一方、未処理とバイカリン/ラッカーゼ染色布、ラッカーゼ単独とバイカリン/ラッカーゼ染色布のそれぞれのMIUの平均値との間については、p値は0.05以下となり、いずれも有意差が認められた。したがって、ラッカーゼで発色したバイカリンを用いて染色したPLA布の表面は滑りにくくなっていることがわかった。 また、表面粗さSMDを見ると、未処理<バイカリン/ラッカーゼ染色布<ラッカーゼ処理の順に大きくなった。先のMIUと同じくt検定を行ったところ、未処理とラッカーゼ処理のp値は0.05以下となり、有意差が認められた。一方、未処理とバイカリン/ラッカーゼ処理、ラッカーゼとバイカリン/ラッカーゼ染色布については、p値は0.05以上となり、有意差は認められなかった。SMDは小さいほど平滑であることを意味する。したがって、ラッカーゼ単独処理によって、PLAの表面が凸凹になるが、ラッカーゼで発色させたバイカリン水溶液でPLAを染色した場合は、ラッカーゼ単独処理に比べて平滑であるといえる。 以上のことから、あらかじめラッカーゼで発色させたバイカリンを用いて染色したPLAの表面は、滑りやすさは減少するものの、凹凸は抑制されていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予期せぬ手術・加療が必要となり、2022年度の途中から研究を休まざるを得なくなった。復帰後は、授業の補講等の対応が生じたため、さらに研究に取り組む時間を確保することが困難な状況となった。 予定していた実験のうち、染色布の表面特性に関しては、2021年度に染色したPLA染色布を用いることで取り組むことができたが、PLA/綿に対するバイカリン/ラッカーゼ染色に関する染色条件、堅ろう性、物性、風合いの検討には着手できなかった。そのため、2022年度は、成果の公表には至れなかった。 以上のことから、予定していた計画の多くを遂行できず、大幅に遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長をお認めいただけたことによって、2023年度が最終年度となる。体調の様子を見ながら、2022年度に行う予定であった以下の内容に取り組むことを計画している。 2021年度の結果から、PLA布は染色後に引張強度が低下すること、また2022年度のKESによる表面特性の結果から色素/ラッカーゼ染色で滑りやすさが減少する傾向にあることが分かったので、PLA/綿を対象として、ラッカーゼで発色した天然色素による染色を行い、染色堅ろう性、強度、風合いを調べる。 また、これまでの成果をまとめ、学会発表や学会誌等への投稿ができるよう進めていく。
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