研究課題/領域番号 |
20K02648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 聖和短期大学 |
研究代表者 |
小山 顕 聖和短期大学, その他部局等, 講師 (80434918)
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研究分担者 |
渡邉 望 長野県立大学, 健康発達学部, 准教授 (40621264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 保育者 / 継続的就業を支える要因 / 働きやすい職場環境 / マネジメント / リーダーシップ / 支援者支援 / 組織マネジメント / 保育の質の向上 / 援助専門職への援助 / 早期離職 / 研修プログラム / 対人援助専門職への援助 / 継続的就業要因 / 組織マネジメント・リーダーシップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、保育現場における早期離職の問題に対し、早期離職者が少なく長期的に継続して就業する保育者が多い園を対象に調査を実施し、その要因を検討することにより、①保育者の早期離職を防ぎ、継続的な就業を支える有用な要因についての検証②保育現場における組織マネジメント、リーダーシップのあり方、保育者同士の関係性(同僚性)に着目し、保育者の継続的就業を支持する要因を育み・生み 出す環境とそのプロセスの解明③それらを受けて、継続的就業を支えるための園の環境形成、質の高い保育実践を遂行するための極めて重要な基盤である健全な園組織と保育者(援助者)同士の良好な関係性の形成に寄与する研修プログラムを提案する。
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研究実績の概要 |
令和5(2023)年度は、5月にコロナウィルス感染症が5類に移行したことに伴い、計画当初に予定していた研究調査を遂行することができた。 まず、前年度にオンラインにて実施した3名の保育現場の園長、施設長への「働きやすい職場環境をつくるための取り組み」に関するインタビュー調査にて保育者の継続的就業を支えるために管理者が果たす役割に関して有意義なデータを得ることができ、その分析結果を第76回日本保育学会(2023年5月)において「保育者の継続的就業を支える要因に関する研究(3)」と題しポスター発表を行った。 次に今年度の主たる取り組みとして、調査対象者数を大幅に拡大し、6月に郵送による質問紙調査を実施した。調査は園長・施設長を対象とし、園種(幼稚園、保育所、認定こども園)、正規職員(保育者)数、過去5年間の早期離職者数、働きやすい職場づくりに関する取り組みの有無、具体的な取り組みの内容などについて質問した。調査紙は無作為に抽出された札幌市、信越地方、関東圏、関西圏、九州地方の合計950園に発送し、最終的に30%以上の有効回答率を得ることができた。加えて、質問紙調査の際にインタビュー調査への協力を承諾すると回答した園から13園を抽出し、8月から9月にかけて、園長、施設長及び、継続的に就業している保育者、合計33名を対象とした半構造化インタビューを実施した。それらの調査を通して得たデータを量的、質的に分析し、貴重な知見を得ることができ(インタビュー調査により収集されたデータについては継続的に分析を進めている)、本研究の目的を前進させることができた。 今年度の取り組みとその成果を社会に公表すること、得ることができた知見を保育現場にフィードバックすることを目的として、第77回日本保育学会(2024年5月)での発表に向け研究発表論文としてまとめ、論文集への掲載が承諾された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
複数年にわたる新型コロナウィルス感染症の拡大の影響を受け、当初の研究計画に比べその進捗状況に影響が及んでいる。その後、令和5(2023)年度5月に新型コロナウィルス感染症が5類に移行されたことに伴い、計画の遅れを取り戻すために、国内の幼稚園、保育所、認定こども園への大規模アンケート調査、また多数の保育現場を直接訪れての対面によるインタビュー調査を実施するなど精力的に研究に取り組み、非常に意義深い知見を得ることができたが、当初の予定であった諸外国での現地調査や国際学会における研究発表を行うまでは至っていない。 新型コロナウィルス感染症の拡大による多大な影響を受けたものの、可能な限りその遅れを取り戻し、本研究の核心的な目的に到達できるよう研究実施期間の再延長を申請し、承認された。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、以下のように実施していく計画である。 まず、計950の幼稚園、保育所、認定こども園を対象に実施したアンケート調査結果に関してより多面的な分析を行う。次に、33名(園長、施設長、保育者)に対して実施した保育者の継続的就業を支える要因としての働きやすい職場環境づくりに関するインタビュー調査結果について、主にQualitative Data Analysis Softwareの一つであるNVivoを活用して、データの詳細かつ多面的な(データの可視化を含む)質的分析を実施し、保育者の継続的就業を支えることに肯定的に貢献する要因となる事柄についての実証的な解明を試みる。加えて、それらの取り組みによって得た知見を継続的に保育領域、社会福祉領域の諸学会等において研究発表及び、論文、研究報告書として公表する。
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