研究課題/領域番号 |
20K02656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
東 義也 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (60279495)
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研究分担者 |
荒尾 貞一 北里大学, 獣医学部, 准教授 (30159488)
山崎 裕 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (40322656)
岩倉 政城 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 名誉教授 (90005067)
峰 友紗 武蔵野大学, 教育学部, 准教授 (90587651)
Sam Murchie 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 客員研究員 (90714709)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 保育 / 東日本大地震 / 原発事故 / 自然 / 回復 / 子どもの生きる力 / 保育観の転換 / 放射能汚染 / 保育者の変容 / 訪問調査 / データ分析 / データ収集 / 健康診断 / 出生児のデータ / 子どもの身体 / 子どもの遊び / 活動低下 / 回復プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故は、震災に続発する未曾有の放射能汚染をもたらした。本研究チームは、放射能汚染の減少の中でも子どもが「外に出たがらない、虫を怖がる、砂や泥で遊べない、不活発」などの自然離れを観察してきた。そして、この現象を“自然剥奪症候群”【Nature Deprivation Syndrome】と命名し、その背景に保育活動制限や放射能汚染に対する不安の解消がなされていないことを明らかにしてきた。こうした症状を呈した子どもたちに、本研究は、本来あるべき保育の姿、すなわち自然との触れ合いを回復させ、健康な成長・発達を遂げさせるプログラムの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
東日本大震災における原発事故は、長年に亘り福島の乳幼児保育に多大な影響を与えた。「尚絅学院大学放射線被ばく下の幼児教育センター」の研究チームを中心に、震災後の保育の回復プログラム作成に着手した。まず保育者たちの奮闘内容を記録し、続いて震災前後の子どもの発育データ収集・分析から始めた。しかし、訪問した各保育施設の実態は、種々困難な環境下において日々展開される子どもとの生活維持に翻弄され過去を振り返る余裕はなく、その日その時の保育の充実に最大の関心とエネルギーが注がれていた。そして、その中に、われわれは保育の回復のみならず、さらなる保育の質向上と新たな発展への手がかりを得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東日本大震災後の保育のあり方に対する考察と発信をおこなう中で、昨今世界中に混乱を巻き起こした新型コロナウイルス感染症がもたらした影響とその後の保育の内容や方法からも多くの示唆を得ることができた。時が経ち以前の保育に戻ってみれば、感染症拡大の時期に盛んに言われていた三密回避の保育がもたらしたものは弊害だけであった。感染症禍における困難と混乱の中を経験したからこそ、それまでの保育の有効性を確認し、あるいは根本から見直し、子どもから学び、よりよい保育を実現させなければならないという結論に至った。
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