研究課題/領域番号 |
20K02705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 三育学院大学 |
研究代表者 |
松崎 敦子 三育学院大学, 看護学部, 准教授 (40792297)
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研究分担者 |
出口 貴美子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (50227542)
西田 佳史 東京工業大学, 工学院, 教授 (60357712)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 早期発達支援 / 保護者トレーニング / オンライン教材 / 看護師 / 早期支援 / オンライン |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)の有病率は年々増加しており,ASD児に対する支援プログラムの開発と普及が強く求められている.本研究では,生後9ヶ月から実施できる保護者トレーニングをオンラインで実施し,その効果を客観的に検証する.このトレーニングの特徴は,①どの地域においても保護者と接する機会の多い看護師が実施すること,②標準化検査・生理学的指標・行動学的指標を用いてトレーニングの効果を客観的に評価すること,③子ども及び保護者のプロファイルを分析し,支援の効果に寄与する要因を明らかにすること,④トレーニングの実効性とユーザビリティを評価することである.
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研究実績の概要 |
本研究では、自閉スペクトラム症(ASD)が疑われる子どもの保護者に生後10ヶ月から始められる保護者トレーニングプログラムを適用し、その効果を客観的に検証する。 プログラムは応用行動分析学を基盤に作成したもので、10ヶ月健診の際に全参加者にオンライン教材を配布した上で、1歳6ヶ月健診の際、ASD疑い群の半数に対し研修を受けた看護師がコンサルテーションを実施する。研究参加者数は統制(TD)群を含めて60名を予定しており、これまでに56名(ASD疑い群34名、TD群22名)が参加している。 評価は視線追跡検査、KIDS乳幼児発達スケール(三宅ら, 1990)、PSI-SF育児ストレスインデックスショートフォーム(浅野ら)、およびVineland-II(黒田ら,2014)を中心に実施している。 10ヶ月時の評価において、Vineland-IIの標準得点平均値は、全ての項目でASD疑い群がTD群より低く、コミュニケーションと社会性で有意な差が示された。その一方、母親の育児ストレスにはほとんど差がみられなかった。 1歳6ヶ月時の評価において、Vineland-IIの標準得点平均値は、全ての項目でASD疑い群がTD群より低く、日常生活スキルで有意な差が示された。また有意差はないものの、ASD疑い群の母親の育児ストレスパーセンタイル値が顕著に高かった。 これらの結果から、生後10ヶ月時点でASD疑い群はTD群と比べて発達の遅れがあり、それは1歳6ヶ月時においても継続することが示された。このことからASD児の発達の遅れは生後10ヶ月から示されており、通常、発達の遅れが顕著となる生後1年を待たずに支援を開始できる可能性が示唆された。その一方で、母親が育児に対するストレスを感じるのは、子どもの発達の遅れがより顕著になる1歳6ヶ月以降に強くなる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響により、研究1年目(2020年度)に、実施場所の物理的・人的準備、及び介入・評価が行えなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
10ヶ月時より参加している子どもおよび保護者を1歳6ヶ月時、2歳時に縦断的に評価する。1歳6ヶ月健診の際、自閉症疑い群の半数に対し研修を受けた看護師がコンサルテーションを実施することで、コンサルテーションを含めた介入プログラムの効果を客観的に評価する。また統制群とも比較することで自閉症の特徴や自閉症児をもつ保護者への支援のあり方についても検討する。
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