研究課題/領域番号 |
20K02776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 (2023) 日本体育大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
奥泉 香 東京学芸大学, 教育学部, 特任教授(Ⅰ種) (70409829)
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研究分担者 |
松下 達彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00255259)
池野 範男 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (10151309)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マルチモーダル / 複モード / 教材 / 国語科 / 他教科 / ジャンル / 複モード・テクスト / 教科書教材 / 対人的機能 / 観念構成的機能 / 図像 / 教科領域 / 語彙 / 系統性 / 教科書 / 国語科教育 / 教科横断的 / 図表 / 地図 / 周辺語彙 / 使用語彙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、学習者のテクスト環境が大きく変化する中、以下のような2点の問いを設定して研究を行う。1点めの問いは、複モード・テクストの学習を、国語科教育を基盤としながら、教科横断的に配置・学習させるためには、学習材のどういった再整理や分類が必要なのかといった問いである。2点めの問いは、そのように整理・分類した複モード・テクストの学習内容を、教科横断的・体系的に学習・活用できるようにするためには、どういったメタ言語を開発・整備していく必要があるのかといった問いである。これら2つの問いを統合的に探究し、学習者を支援するガイドブックを開発する。
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研究実績の概要 |
最終年度である2023年度には、引き続き言語能力に主軸を置きながら、しかし国語科だけでなく他教科でも活用できるような観点や枠組みの整理、学習者や教師にとって活用しやすい枠組みの解説、ネーミングについて主に検討・整理を行った。本科研では、前科研で研究整理した小学校段階における複モード・テクストの学習の枠組みを基盤としながら、それらを系統的・発展的に検討・整理し、中学校段階の学習に必要とされる複モード・テクストの観点や枠組みを検討・整理した。その結果、中学校段階の国語科教科書の分析を通して、小学校段階と比べて図や写真・挿絵の量が大きく減少し、抽象的概念を説明するモデル図や言語活動を進めるためのイメージ図等の比率が増加していることが明らかになった。 また、このことによって図像と周辺に記述された文章との複モード関係から分析しても、それらの関係性が、小学校段階に多かった「反復関係」や「同義関係」「反意関係」が減少し、中学校段階では「敷衍関係」「拡張関係」といった抽象度の変化を含んだ関係性を検討する力が必要とされる教材が多いこともわかった。この点については、研究協力者であり複モード・テクストの研究を先進的に行なってきた豪州(カソリック大学)のアンズワース教授の近著から、モデル図等の図像テクストと周辺の文章との関係を、「多重構造」という科学的テクストに多くみられる枠組みを活用することによって、国語科教育と理科的な科学的教材の学習との接点や応用可能性を整理した。また、社会科的な教材との関係については、同じく研究協力者で米国(ミシガン大学)のシュレッペグラル教授のジャンル研究から、論証機能を担う周辺文章中の語彙要素とそれに対応する図像要素を関連させて分析する方法で整理を行った。
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