研究課題/領域番号 |
20K02822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
河瀬 諭 神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (90507469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 音楽 / グルーヴ / ノリ / 身体 / 感情 / 個人差 / 身体運動 / 身体動作 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、音楽を聴いて体を動かしたくなる感覚や動かした際の個人差が、どのような要因と関連しているかについて、検討することである。音楽によって体を動かしたくなる感覚や動かした際の特徴は、研究が進みつつある。一連の知見では、個人差の存在が報告されているものの、その要因は明らかではない。そこで本研究は、定量的なデータに基づき、共感性などの個人特性が、音楽と体の動きの個人差に関連するという仮説を検討する。本研究は、最終的には、多様な特性を持った人々が、音楽教育やダンス、リハビリテーション、健康増進などの恩恵を受ける手がかりへの応用を目指す。
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研究実績の概要 |
音楽と身体活動の結びつきは、古来の儀式や伝統舞踊における踊りから、近年のエクササイズや音楽ライブ鑑賞における能動的な参加まで様々な場面で見られる。このような音楽と身体の関係を紐解く糸口として、音楽を聴くことにより身体を動かしたくなる感覚である「グルーヴ」が注目されている。なぜグルーヴを感じられるのかを知ることは、聴覚刺激により誘発される運動感覚のメカニズムの解明のみならず、ダンスやエクササイズなど音楽を活用したさまざまな実践場面に対する基礎的な知識を提供する。一方で、このような感覚は地域や時代にかかわらず多くの文化で見られるものの、普遍的なものではなく、個人差があることも知られている。例えば、音楽と身体運動を結びつけにくい人がいることや、音楽経験によってグルーヴの感じ方が異なることが示唆されている。したがって、グルーヴが生起するプロセスや、そこに個人差がどのように影響しているかを明らかにすることは、聴覚と運動の連携などを含む音楽と身体を結びつける認知メカニズムの解明だけでなく、人のプリミティブな文化活動である音楽やダンスの源泉の理解にも寄与する。本年度は、追加の実験を実施するとともに、これまでの研究で得られた研究成果をまとめた。具体的には、グルーヴを感じられる曲のテンポは、年齢や性別によって異なることが示唆された。一方で、これらの曲のテンポと、回答者の身体的特徴には関連が見られなかった。また、音楽聴取前の感情によって、グルーヴが異なること(ポジティブな感情状態の聴取者はよりグルーヴを感じる)が示唆された。また、アウトリーチ活動も積極的に行った。近年盛んにおこなわれ始めたグルーヴ研究における本研究の位置づけを捉えなおすとともに、理論から実践までの幅広い視野で研究を進めた。
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