研究課題/領域番号 |
20K02879
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 寛之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30452832)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会的分散認知 / 科学概念 / 理科授業 / 協調的問題解決 / 理科学習プロセスシート |
研究開始時の研究の概要 |
他者と協働して課題を解決することや様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成することが、子どもに必要な能力として育成が求められている。しかし、他者の見方・考え方を受容することや他者からの情報をふまえて科学的概念を再構成することには課題もある。本研究では、事例研究を通して、社会的分散認知の共有と統合を図るための知見を得て、子どもの科学概念の深化・拡大を目指した理科授業方略の開発する。
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研究実績の概要 |
理科で学習する自然事象について子どもは、日常生活と関連させて、学習前に自分なりの考えを構築している場合も多い。そのため、理科学習を通して子どもが、他者(ヒト・モノ)のもつ情報(社会的分散認知)を自分の考えに適切に取り入れて、保持している科学的概念を変容させることも必要となっている。このような学習者自身にも学習状況の把握と調整を促す理科授業方略の開発を可能とするためには、理科学習で社会的分散認知を子どもがどのように共有し統合するのかについての知見を得る必要がある。 本研究では、「協調的問題解決による社会的分散認知の共有や統合を目指した理科授業デザイン開発」に関する研究を実施した。具体的には、学習問題に対する予想において表出した根拠別に小グループを形成して観察・実験をしたり、予想と得られた結果を関連させた考察を学級全体で吟味したりする等の、協調的な問題解決場面での様々な情報(社会的分散認知)の共有や統合により、子どもの科学概念構築を支援することが可能となる理科授業デザインの開発の視点を検討した。 2022年度に実施した研究内容や成果の精査から、本研究における理科授業デザインにおいて、以下の点が明らかとなった。 ・小学校の理科において「曲がる川での流れの速さの違い」等のように現象が単純化されたり、最終的な違いのみが説明される自然事象については、子どもは学習とは別の日常体験を根拠とした考えを共有したり、授業者が提示する情報を統合したりすることを通して、身に着けるべき科学的概念の意味を吟味することができていた。 ・小学校第3学年の子どもでも,学習における問いを生成する場面では,他者の気づきや疑問を共有することで,問いを想起するだけでなく,具体的に何をすればよいのか等の検証すべきことを意識することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では2020年度から2022年度の3年間の研究期間に、I.「協調的問題解決による社会的分散認知の共有や統合を目指した理科授業デザイン開発」、II.「授業実践①と分析・授業デザイン改善」、III.「授業実践②と分析・授業デザイン検証」、IV.「成果公表(・まとめ)」の4つの研究プロセス(段階)で研究を進める予定としていた。 そのうち、2022年度は新型コロナウイルス感染症の予防対策の影響で遅れていた研究の進捗状況を改善するため、上記II.~IⅤ.を実施する予定であったが、予定していた義務教育諸学校等での授業実践を通したデータ収集とそれらの分析を進めることが難しい時期もあり、すべてを予定通りに進めることができなかった。 当初予定の3年間という研究期間内に本研究を終了することができなかったが,データ収集や分析を少しずつではあるが進めることができているため,研究の進捗状況としては「やや遅れている」。(研究計画変更等に伴い、補助事業期間を延長した。)
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今後の研究の推進方策 |
研究計画変更等に伴い、補助事業期間を延長した。2023年度は、研究の最終年度として、III.「授業実践②と分析・授業デザイン検証」、IV.「成果公表(・まとめ)」を中心に研究計画を再考し、研究を推進していく予定である。 引き続き,本研究での理科授業デザインの有用性等を検証するためには、学校現場での授業実践によるデータ収集とそれらの分析が必要となるが、新型コロナウイルス感染症予防等の対策の変更もあり、これまでよりは改善される見込みである。この点についても、研究協力者との打合せや研究協議を当初計画以上に積み重ねており、今後は研究の進捗状況の遅れを取り戻すことが可能であると考えている。
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